偽装請負を告発した労働者に対して、松下プラズマが「報告行為」を働いた。
それが許されないとの判決である。
派遣労働者は気に入らなければ、いくらでも解雇して良いのだという、大企業のおごりに対する批判である。
「人間らしい労働」をめぐる潮目の変化がここにもある。
松下プラズマ 偽装請負告発の吉岡さん勝訴 派遣先に雇用義務 大阪高裁判決(しんぶん赤旗、4月26日)
大阪の松下プラズマディスプレイ茨木工場で働いていた吉岡力さん(33)が偽装請負を告発し、直接雇用のあと五カ月間で解雇されたのは不当だと解雇撤回を求めていた裁判の判決が二十五日、大阪高等裁判所(若林諒裁判長)でありました。判決は、一審判決をくつがえし吉岡さんの訴えを全面的に認めました。
吉岡さんは二〇〇五年五月に偽装請負を告発、その不法性を社会に訴える契機となりました。松下は、いったん直接雇用したうえで隔離部屋に押しやり、〇六年一月末に解雇しました。
判決は、松下の違法行為(偽装請負)を認め、請負契約は無効だと指摘。継続して働かせていたことについて「黙示の労働契約(直接雇用)」にあったとして、吉岡さんの地位について「雇用契約上の権利を有する」と確認しました。
吉岡さんを直接雇用後、配置転換し一人作業を押し付けたことについて「報復行為」と批判。雇い止めについても、契約は多数回更新され仕事も継続しており「更新拒絶の濫用(らんよう)として許されない」と断定。事実上の常用雇用の契約関係にあったと認めました。
「よし」との歓声に包まれ支援者と抱き合った吉岡さんは「声をあげてよかった。多くの仲間の支えがあっての判決だ」と話しました。
村田浩治弁護士は「主張が全面的に認められた。派遣先の雇用責任を認める意義ある判決」と語りました。支援にかけつけた徳島のJMIU光洋シーリングテクノ分会の矢部浩史さん(43)は「告発したら雇いどめになる実態がある。国は判決を受けとめ、(企業に)きちんと指導してほしい」と話しました。
派遣法改正に力を尽くす
小池晃参院議員の話 雇い止めを許さず常用雇用を派遣先に求める画期的判決です。党議員団はこの問題を取り上げ、解決を求めてきました。日本共産党が提案している労働者派遣法改正要求の正しさが司法判断によっても裏付けられました。派遣労働者の権利を守るために抜本改正に向けて引き続き力を尽くします。
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