自立し、共同する中南米の動きに、アメリカ側も譲歩を余儀なくされている。
とはいえ「社会主義」を語り、目指す政権については、これを認めることができないというのがオバマ氏の姿勢であるらしい。
好き嫌いをいうのは自由だが、干渉や誹謗となれば別問題。
南北アメリカ全体で、アメリカの孤立が深まっていく。
オバマ氏の中南米政策と「親米国」メキシコの変化(しんぶん赤旗、5月28日)
【メキシコ市=島田峰隆】米大統領選の民主党候補の一人、オバマ上院議員は二十三日、「米州諸国との新しい同盟」を打ち出し、ブッシュ政権の中南米政策を「転換する」と演説しました。しかし一方で、キューバ封鎖の継続を約束し、ベネズエラを「独裁政権」と呼ぶなど、「マケイン氏、クリントン氏とほぼ変わらない」(メキシコ紙ホルナダ)という批判が出ています。
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こうした批判が出る背景には、中南米諸国でキューバやベネズエラが孤立するどころか、各国が両国と関係を強化する方向へ変化していることがあります。その変化を顕著に示しているのが、「親米国」とされるメキシコの外交です。
在メキシコ・キューバ大使館は十八日、同国のペレス外相が九月にメキシコを訪問すると発表しました。メキシコのカルデロン大統領のキューバ訪問を要請する書簡を手渡すといいます。
メキシコはフォックス前政権のもと親米路線を強め、キューバとの関係は悪化していました。しかし、中南米諸国すべてとの関係回復を掲げるカルデロン政権が二〇〇六年十二月に発足してからは、関係が改善し始めています。今年三月にはエスピノサ外相がキューバを訪問し、ペレス外相と会談。関係正常化を確認する共同声明を発表しました。
経済面では五月上旬、メキシコ企業七十六社でつくる代表団がキューバを訪問。農業や化学、電化製品などの分野で六百以上の交渉を行いました。
五月に中米ニカラグアで開かれた食料危機をテーマにした中南米十五カ国による首脳会議には、メキシコからも政府代表団が参加しました。
ベネズエラやボリビア、キューバなど左派政権でつくる「米州ボリバル代替構想」諸国が中心になって準備した会議への出席は注目されました。
ベネズエラとの関係でも昨年八月、空席だった大使を任命。ベネズエラ側も大使を任命し、関係改善しています。
エスピノサ外相は、昨年十二月の南米南部共同市場(メルコスル)首脳会議に出席し、南米諸国との協力を強める姿勢を示しました。
一方、南米諸国はベネズエラとの関係を発展させています。二十三日に開かれた南米十二カ国の首脳会議は、南米諸国連合(UNASUR)設立条約に調印しました。二〇〇四年に設立された南米諸国共同体をUNASURへ発展させることを提案していたのは、ベネズエラでした。
政治的、社会的な地域統合にふさわしい名称にすべきだというチャベス大統領の提案でしたが、今回、南米全体の条約として実りました。条約案をまとめたボリビアのモラレス大統領は、「条約は特別な一国の立場を反映しているのではない。南米すべての国の合流点だ」と述べています。
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