南米大陸のすべての独立国である12ケ国の首脳が、南米諸国連合設立条約に調印した。
今回の条約案はボリビアがまとめ、今後、首脳会議は年1回、議長国は輪番制で行われるという。
南米諸国連合設立へ 12カ国首脳会議 条約調印 主権平等・核のない世界目標(しんぶん赤旗)
【メキシコ市=島田峰隆】南米十二カ国の首脳会議が二十三日、ブラジルの首都ブラジリアで開かれました。各国首脳は、地域統合の目的や原則など共同体の詳細を定めた南米諸国連合(UNASUR)設立条約に調印しました。条約は主権平等や核廃絶を明記。十二カ国中九カ国の批准で発効します。
会議にはウルグアイ以外の十一カ国の首脳が参加。条約案をまとめた臨時議長国ボリビアのモラレス大統領は「今日は南米諸国民にとって歴史的な日だ」と強調。ブラジルのルラ大統領は「南米地域の諸国民は、発展、社会正義、民主主義、平和という共通の課題に取り組む力を持っている」と語りました。
条約は「統合は多国間主義の強化に向けた決定的な一歩」だと強調。主権の平等に基づいた多極化世界、核兵器や大量破壊兵器のない世界を目標として明記しています。「社会的、経済的な不平等の根絶」も掲げ、貧困や社会的排除とたたかう決意を強調しました。
統合の主要原則として、主権尊重、領土保全、民族自決権、連帯、協力などを挙げました。
「市民参加」条項では、「統合過程で国民の全面的な参加を促進する」とし、社会団体などとの対話を重視しています。
議長国は輪番制で、年に一度首脳会議を開催。他の中南米・カリブ海諸国の加盟も可能とし、ラテンアメリカ全体の統合を視野に入れています。
ブラジルは地域の協力強化と紛争予防を目的とした南米安全保障協議会構想を提案しました。しかし、コロンビアが国内事情を理由に不参加を表明したため、作業部会を設けて今後三カ月間検討することになりました。
南米十二カ国は二〇〇四年十二月に南米諸国共同体を設立。〇七年四月の第一回エネルギー首脳会議で名前を南米諸国連合に変更することを決め、統合の深化を目指してきました。
コメント