8月10日は、8時30分起床の朝であった。
特殊栄養ドリンクを新参とわかちあい、
9時20分には、外に出る。
JR「加島」から「大阪天満宮」へ、
谷町線「南森町」から「天満橋」へ、
車中「社会保障の人」となって移動する。
10時からの「関西フォーラム 『慰安婦』決議に応え
今こそ真の解決を!」にまにあっていく。
会場は、ドーンセンター7階ホール。
たくさんの知った顔があり、
3・4年ゼミの学生たちも、
10人ほどが参加である。
午前中は、フィリピンの元「慰安婦」被害者
ピラール・フロレンダ・フリアスさんが証言をする。
タガログ語での証言を、
リラ・ピリピナ(マニラに拠点をおく被害者女性支援のNGO)の
レチェルダ・エクストレマドゥーラさんが英語になおし、
さらにそれを日本語になおすという二重通訳。
日本兵による強姦と「慰安婦」加害が、
文字通りの侵略と一体であることが良くわかる。
昼の休憩には、外で食事をとっていく。
4年生2人をふくむ5人で、
勝手のわからぬ「天満橋」界隈に店をさがす。
ミニ丼と、うどんゾゾゾの昼食とする。
午後は、各国で「慰安婦」決議採択を推進してきた
運動家たちのシンポジウム。
アメリカ下院で決議推進の中心にたった
121連合のリーダーのアナベル・パクさん、
EU議会などヨーロッパでの取り組みを推進した
アムネスティ・インターナショナルの
キャサリン・バラクロウさんが話をする。
情熱的なバクさん、論理的なバラクロウさんと
個性の違いはあれど、
この重大な人権侵害の放置は許されない、
それは現代における性奴隷制克服の重要な一環をなすもの、
そうした問題意識は鮮明である。
質問用紙に、「『慰安婦』決議と、その直後に採択された、
イラク戦争に対する日本政府の協力への感謝決議の関係」を書いて見る。
戦場でのレイプが繰り返されるイラク戦争の推進と、
「慰安婦」問題の解決を求めることとの関係を、
アメリカの下院議員たちがどのように「整理」しているかを問うたもの。
25通もの質問があり、
残念なことに、直接の回答は得られなかった。
だが、アメリカで活動するパク氏の
シンポジウムでの発言には、
すでに、以下の重要な指摘がふくまれていた。
「政治的バランスに配慮し、日米の協力関係に配慮する議員もいた。
そういう議員にどのように話をしたか」
「決議は日本を非難するものではなく、将来にむかった展望的なもの」
「日本が様々な問題に誠実にこたえるなら、日本はより強い国となり、
世界のリーダーとなりうる」
「地域の安定・平和に寄与するものとなると語っていった」。
他の質問に対する回答にも、
次のように、同じことがふくまれた。
「決議によって日米関係はむしろ強くなる」
「日本の不安定化はアジアでの平和・安全保障の観点からも
好ましくないと説得した」。
これは、先日出版した『覇権なき世界を求めて』の内容に
深くかかわる問題。
この本では、アメリカ下院の決議採択に
様々な思惑が込められたとして、
①それが東アジアにおける日本のリーダーシップの回復につながる、
②反米靖国の台頭を抑えることは、
日本を従属的同盟のもとに置き続ける条件を強める、
この2点を、アメリカ政府の主な目論見だと述べておいた。
先のパク氏の発言は、
少なくない下院議員の発想に、
遠からぬものがあったことの傍証となる。
ただし、同じく『覇権なき…』で指摘しておいたように、
アメリカ下院の決議は
そうした個々の政治的思惑をこえて、
国際的な反響を呼んでいく。
EU議会やオランダ、カナダ議会の決議は、
内実にあっても「人権」を核心としたものとなっている。
バラクロウ氏の発言によれば、
アムネスティは、ドイツ、イギリス、オーストラリアでも、
決議採択の努力を行っていく(る)という。
世界各地の批判は、
今後もますます拡大していくということである。
なお、パク氏から、日本政府による
「決議を採択するな」というロビイングが、
「日米関係にヒビが入るという一種の脅迫」
であったことの紹介につづき、
そうした「脅迫」が有効である理由として、
「アメリカは世界に友人が少ないので
唯一の友人日本は貴重な存在なのだ」と語ったことも、
今日の世界構造理解に、重要なところとなっていた。
日本政府によるアメリカ第一主義の愚かさは、
アメリカ政府の愚かさとともに、
これらアメリカの市民運動家にとっても
良く見えているということである。
全体として、非常に聞き応えのあるシンポジウムであった。
主催者は、宝塚市議会、清瀬市議会の意見書採択を重視し、
また、国会における問題解決にむけた法律作成を重視して、
少なくとも大阪選出の国会議員には、今日の企画を案内したそう。
結果として、民主党と社民党からは、
現職国会議員の参加と発言があった。
他に、少なくない地方議員の紹介もあった。
こうした「一致点での共同」の広まりは大切である。
各政党と議員各人には、
柔軟な連帯への新たな挑戦の姿勢と、
それを具体的に示す行動の一層の習熟を期待したい。
参加は、560人。
「次は、9月の水曜集会であいましょう」。
たくさんの友人と言葉をかわし、
5時ちょうどには、会場を出る。
4人ほどで、近くの喫茶店に入り、
あれや、これやと感想を述べあう。
解散後、「天満橋」から、
JR「大阪天満宮」へとスタスタ歩く。
「この夏は歩く量をちょっと増やそう」作戦の実行である。
JR「大阪天満宮」から「尼崎」へ、
ここで、同行したS本さんとお別れし、
「チイチャイ電車」をながめる
新参・相方と合流する。
買い物をして、7時ちょうどには「加島」にもどり、
風呂で遊んで、夕食とする。
竹中元大臣方面の書籍を
まとめてガッシンと注文する。
9月後半には、グイッと読んでいく計画である。
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