1)出席者7名。卒論の相談者は3名。まず「ドイツ国民はどのように戦争責任をとったか--主に1968年の学生運動から」(川元さん)。論文のテーマがいう「戦争責任」の具体的な内容は何か,その「戦争責任」のドイツにおけるとられ方に,どのような見通し(仮説)をもっているのか,そこがいまだ曖昧。議論をすすめていくと,68年の学生運動には社会主義をめざす力も強かった,統一以後の90年代の方が個人への補償についての具体化が進んだなど,問題設定と相反するかに見える情報も出てくる。なぜ68年か,なぜドイツか,なぜ学生運動かなどについて自分の意見を整理していくこと。
2)「アジア諸国との信頼関係を築くために」(西村さん)。「日本国憲法の前文と第9条の理念の必要性」を訴えるというものだが,論文としてのオリジナリティが見えてこない。「必要性」を訴える文献はすでにたくさんあり,それを要約する以上の「自分の論文」としてのオリジナリティをつくることが必要。たとえば既存の「必要性」論の弱点を明らかにするなど。。それができなければ,はやり「大きなレポート」にとどまるものとなる。「自分の」課題を明らかにすること。
3)「女性の選択-『女らしさ』とは?」(南方さん)。女性が「仕事か家庭か」という二者択一に追い込まれることのない社会をつくるために,どのような法律が必要かを考えるもの。「女らしさ」にかかわる議論と,「どういう法律か」にかかわる議論との関係を整理する必要がある。他方で「どういう法律か」を論ずるために,①現在の労働現場(家庭)で女性が直面する問題をリアルに知る,②現在の雇用機会均等法「改正」の焦点を知る,③「男女平等」だけでなく男女共通の労働条件改善の問題にも目を向ける,などが当面の課題となろうか。
4)それぞれ次回報告の日程を決める。
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