1)テキスト第7章「より深く考えるために表現技術を身につける」を読む。問題提起は鶴田さん,池田温子さん。「得意な話題はどんなもの,その情報収集の方法は」「対話の際や文章を書く際に気をつけていることは」「メールやワープロの利点・欠点」など。
2)全16名の学生のうち,新聞のテレビ欄以外のページを毎日見ている人は6名,ネットのニュースサイトを見る人は5名とのこと。ただし,ニュースサイトはリンクをつたって芋づる式で見ている人も含まれており,その場合には様々な出来事の全体像をとらえる機会はないのかも知れない。「歴史が好きで『その時歴史が動いた』などNHKのものを見る,そこから知りたいことが生まれれば図書館にも」「ファッションや芸能には関心がある,ケータイでニュースを見る,コンビニの立ち読みも」「何かを調べる時にインターネットを活用するが,明らかにまちがっている情報もあり,信頼性にかける情報があると思っている」など。
3)対話やゼミでの発言については「しゃべっているうちにわからなくなる」という声もあれば,そうならないように「相手に伝わることを心がけて,要点をつかむ努力をした」との発言も。文章については書くのが「好き・得意」という人は1人だけ。「メモをとってまとめるようにしている」とのこと。「段落ごとにテーマをきめて,それをふくらませている」「一気に書いて,あとから修正していく」などの方法も。以前のゼミでの議論に触発されて「日記を書き始めた,つづいている」という人もいる。つづけることは力になる。ネット上の日記だと書き続けることに強制力が生まれてくる。「与えられたテーマについて書くことはできるけど,自分でテーマを設定することができない」との声には何人もがうなずいている。
4)親しい人の間ではワンフレーズで意味が通じ,通じなくても言葉やメールを重ねることで補うことができるが,そうではない人との対話やメールには,相手のいうことを良く聞いて要点をつかみ,それにかみあった返事をするための独自の練習が必要になる。その能力はがケータイメールでは埋められない。しかも,友達だけとつきあうことのできない大人社会では不可欠の力。たくさん書くだけでなく,大人にたくさん読んでもらうこと,たくさん注文をつけてもらうことが必要になる。小説でも新聞でも,文章をマネるというのは一つのいい方法。次回でテキストはおしまい。あとは『知の贈りもの』に進んでいく。
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