1)総合文化学科の教員による『知の贈りもの』から「映画的身体」(安東さん),「サブカルチャー」(井畑さん)がとりあげられる。内容が紹介されたうえで,「好きな映画はなにか,その理由は,どういう影響をうけたか」「どういうサブカルチャーに興味があるか,それはなぜか」などについての話題が示される。
2)映画については,沖縄戦を描いたもの,ユダヤ人虐殺を描いたものなどがあがり,教室では学べなかった歴史が学べるとの声が出る。恋愛ものについては,心が豊かになる,いろんな人がいることがわかるなど。作中人物との同化については「すぐに主人公と同じ気分になる」「現実を忘れる」とも。しかし,映画『パールハーバー』の評価あたりから話がかわる。「日本人は卑怯だ」ということが1つの話題だったが,「歴史の実際はどうだったのか」。「あれほどの大事件をこの国では何の議論もされずに,単なる娯楽映画としてながめられる」「その感覚がわからない」など。戦争体験者があの映画をどう見るか,イラク戦争へのアメリカ政府による国威発揚と『パールハーバー』との関係,今日のユダヤ人国家イスラエルの問題なども話題になる。作中人物に同化しやすいということは,容易に操作がされやすいということにもなっていく。
3)サブカルチャーは議論の仕方がむずかしい。唯一アニメの評価が共有できる話題となる。「アニメかどうかが問題ではなく,内容のあるなしが問題」。「深夜のテレビで流されているものには,絵の質も内容もひどいものがある」。「『地獄少女』など終始殺人に悩むもので後味が悪い」。宮崎アニメは「絵がきれいで内容も考えさせられることが多い」。しかし「最近のものほど内容が希薄になってきていないか」「最後の30分くらいで無理矢理ストーリーが展開して終わっている」「『もののけ姫』までの方がいい」「昔の作品が印象に強いのは,自分たちが子どもだったからからも知れない」「何をいい内容と考えるかは各人の価値観次第では」……とはいえ,宮崎アニメが面白いかつまらないかと聞けば,全員が「面白い」に手をあげる。
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