1)卒論テーマの報告と相談。「日韓基本条約の問題点」(川元さん)。侵略と植民地支配に対する反省と清算を明記しない条約に問題があるのは間違いなく,また「経済協力」に固執した日本政府と「請求」と「経済協力」の「一括妥結」と理解とした韓国政府との異なる解釈に問題があるのに間違いはない。ただし,卒論づくりの課題は,すでに指摘されているそのような問題の再確認にとどまらず,自分なりの新たな主張を根拠をもって加えること。そこの自分のアタマで考える作業にもっと時間をかけること。
2)「自国への関心の国際的格差」(森本さん)。自分で体験した歴史教科書問題や「竹島」問題などでの日中韓の若い世代に見られる関心の格差,日本の若い世代の無関心が出発点。歴史や外交や海外の自国に対する評価などの論点で。「教育の影響が大きい」というところから議論するが,家族,マスコミ,友人など多様なかかわりもあげられる。「同じ教育から正反対の人が育つ」ということも。他方,「要するに自主的に自ら学び考える姿勢が育っていないことが問題」との指摘も出る。「竹島が話題」と聞いても「それを自ら調べることもしない」と。
3)「男女雇用機会均等法改正」(南方さん)。卒論の構成はすでに見通しがついてきており,今回はその柱となる部分の検討。07年4月施行の改正案だが,曖昧さがあれこれ目につく。対して日弁連の意見書(06年2月)の特に「仕事と生活の調和」を明記せよとの意見に賛同するとのこと。さらに曖昧さが生まれる根拠として財界の女性労働者政策を調べ,また労働団体や女性団体の主張,各政党の意見の相違を調べることで,この法律の改正内容を決める力の衝突の実態を見通したい。さらに現実にある女性差別に照らして改正案の内容を評価する必要があるとのことから,一例として住金の性差別に関する資料も配布。
4)あとは個別の相談。授業評価アンケートをとる。
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