○まずは「女たちの戦争と平和資料館」を訪問しての感想と意見の交流からはじめる。大学でテキストをつうじて学んでいたはずのことが,資料館では「初体験」として受け止められ,また言葉としてどこか「遠さ」を感じながらも学んでいると自覚のあったことか,肌をとおして理解される。その理解されることのあまりの重さに,「このうえ『ナヌムの家』に行くのは正直こわい」とも。問題の解決に向けて,自分たちに何ができるかを話し合う。学内報告会など毎年行なっていることに加えて,「パネルの展示ができないか」などの新しいアイデアも出る。また「いままでの2冊の本のさらに導入となるような絵本がつくれないか」という意見もでる。今年のゼミには描き手がいるのである。議論は夏休みまでの持ち越しとする。
○資料館で入手したビデオ『中国・武漢に生きる元朝鮮人「慰安婦」 河床淑さんの証言』を見る。1944年17才で「慰安婦」とされた河さんは,窓には鉄格子がはめられた「慰安所」での日々を強要される。2003年に58年ぶりに朝鮮の土を踏むが,2005年には中国にもどられたという。
○ゼミの後期のテーマは「はたらく女性」の問題であり,3年生はこれから就職活動を体験する学年でもある。「仕事を探す」ということを,自主的に,たくさんの大人の体験に学びながら,どの分野に社会貢献(参加)の場を見つけ出すかを,中長期の展望をもって人生を創造することと伝えてみる。「就職活動をどうすれば良いか」という技術的な問題は,先輩に尋ねればただちに解決する簡単なこと。問題は,自分の人生を自分の力で切り開く覚悟を,ただちに日々の行動にうつしていくこと。簡単な形は,自分の将来についての「夢」と,それを実現する具体的な方法を毎日の「日記」に記して実践すること。
○後期のゼミで作成する『輝いてはたらきたいアナタへ』(仮題)についても内容の構想を練る。これもまたいかにして就職マニュアル本にせず,しかし,若い女性の就職活動やはたらくことをはげます本にすることができるかというところが工夫のしどころこになる。
○最後に9月10日の「ナヌム訪問直前学習会」の報告分担を確認する。靖国神社見学の感想交流から,吉見義明『従軍慰安婦』の概括的な復習,『ハルモニからの宿題』から上野・石川論文の学習へとすすむ。他にいくつかのビデオをながめ,また参加してくれる学外のみなさんから自己紹介や学びの意見をえることで概ね時間は一杯になるものと思う。
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