ビデオ「アウシュビッツからベルリンへ-加害の記憶をたどる旅」を見る。戦後ドイツの社会が侵略と大量虐殺,強制「売春」の歴史にどう向き合ってきたかが中心テーマ。
60年以上も前の戦争だが,それをどうとらえるかは,靖国問題に集中的にあらわれているように,今日の重要な政治問題。「昔のことだ」で,現実世界はすすまない。安倍首相の中韓訪問でも,これが中心的な問題となっている。
同じように加害の責任がとわれる日本とドイツだが,戦後60年をへた現代の国際社会における両国への信頼度の格差は,EUと東アジア共同体におけるそれぞの役割を見れば歴然としている。
賠償金の格差(金額,個人へか国へか,新たな賠償請求に応じるか否かなど),歴史教育の内容格差など(ドイツはポーランド・イスラエルと歴史認識を一致させる共同研究を長く),戦争への反省は再発防止の努力の有無が大きな格差につながっている。
日本の学校教育では近現代史が教えられないことが多く,それは若い世代の責任ではない。しかし,現在の日本とアジア,日本とアジアの未来を考えるとき,かつての戦争をどうとらえるかは重要な問題となる。
これは大学生であるあいだに,しっかり学んでほしい事柄である。
今回が担当の最後なので,以下のテーマで文章を提出してもらう。
「3回の授業を受けて,アナタが今,戦争と平和の問題をめぐる考えるところを自由に書いて下さい」。
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