第1回の授業。経済関連の授業は、「現代社会と経済学」「経済学」「比較経済論」の順に難しくなる。
「現代社会と経済学」の後期は、女性と仕事・人生といったテーマで、先輩たちの就職とその後の人生の実例を紹介しながら行う。
「比較経済論」は、G7にかわって21世紀前半には世界経済の主力となっていく「BRICs」からインドの経済を取り上げる。
「経済学」は、市民としての常識をそなえることが目的。論ずる範囲は、特に「構造改革」を中心とする日本経済の実態と政策、日本の経済政策に強い影響を与えるアメリカとの関係、日本の企業がますます関係を深める中国等との関係。
これらの問題を、特に財界に焦点をあてて考えていく。財界とは大企業経営者がつくる団体のこと。日本経団連、経済同友会、日商の3つが中心。日本経団連が財界の意思決定期間、経済同友会は調査・研究を特徴とし、日商は全国の地方企業を束ねる役割を果たす。
中心的にとりあげる日本経団連は、多くの政策活動をしながら、自民党に多額の政治献金の斡旋を行い、自らの政策の実現を政府に迫っている。献金は自民党の他、民主党にも行われており、献金の金額の基準として「最優先政策事項」に照らした評価があたえられている。
「夏休み」中に、安倍内閣から福田内閣への首相の交代があったが、いずれも「構造改革」推進、消費税増税、憲法改正の基本路線に変わりはない。しかし、安倍内閣には強すぎる靖国色という問題があった。
それが安倍内閣に対するアメリカの批判を招く原因ともなり、また日本財界が夏の軽井沢セミナーで安倍内閣支持を明確には打ち出さなかった要因ともなる。さらに安倍退陣以後、靖国派として安倍路線に近しい強い麻生氏ではなく、党内「親中派」と表される福田氏に特に自民党国会議員の支持が集まったことの背後には、アメリカや財界の力が少なからず作用しているものと追われる。
このように政治の実態を見つめる上でも経済の仕組みの理解は不可欠。
次回からはテキスト『財界の変貌』(佐々木憲昭、2007年)に入る。持参のこと。
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