最近の出来事から、東アジアサミットの準備を取り上げる。直接には温暖化対策のニュースだが、それよりも、まずは東アジアサミットが存在することの意義について。
①欧米の植民地支配、②戦後の独立と大国支配の影、③ベトナム戦争における東アジアの分断、④67年ASEAN結成と中立地帯宣言、⑤ベトナム戦争勝利、⑥社会主義をめざすベトナムをASEANに、⑦東アジア経済の成長とアメリカをふくむAPECの結成、⑧97年アジア通貨危機におけるアメリカへの見限り、⑨05年第1回東アジアサミット。
会議の存在自体が、東アジアのアメリカ離れを意味し、またASEANのような小国たちが世界構造変革の主人公として立ち現れていることの証明となる。
NHKスペシャル「インドの衝撃・第2回・11億の消費パワー」を見る。
急速な経済成長のもとで、「中間階級」が増えている。メイドを雇い、家電製品を買い、巨大スーパーに足をはこび、欧米風のファッションや体型にあこがれる。日立現地法人の社長も「インドは特別な市場でなく、世界共通の市場に変わって来ている」と受け止める。
ただし「中間階級」の内実はきわめて幅の広いものとなっている。富裕層と貧困層の「中間」である。貧困層の定義は年収2000ドル以下(24万円以下)で、インド全人口の65%。
つまり「中間階級」は年収25万円以上から数千万円までの幅をもつ。
巨大都市ムンバイでも、人口の55%がスラムに暮らす。1日1ドル以下での生活も珍しくない。しかし、インドの全国チェーンスーパー「ビッグ・バザール」は、スラムの横に巨大スーパーを建てていく。
「貧困層の富裕化は急速ではないが、数が多いので、わずかな上昇が合計すれば巨大な変化につながる」。そう語るのは、ゴールドマンサックスのアナリストとして「BRICsレポート」を書いた、いまだ20代の女性である。
内部に様々な問題をかかえつつも、確かに巨大な変化が、社会の全範囲を包み込みつつあるように見える。
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