ビデオ「焼け跡から生まれた憲法草案」(NHK・ETV)を見る。
鈴木安蔵等、憲法研究会メンバーによる「憲法草案要綱」(45年12月)の作成過程とその内容に焦点があたる。
鈴木は、高野岩三郎に「国民運動としての憲法づくり」の必要を説かれ、これに納得したという経過があった。
「草案要綱」は、主権在民を明記し、天皇の地位については行政権を与える、天皇制を廃止するなど様々な議論のすえに儀礼的代表という線にいたる。
さらに人権の尊重・差別の撤廃、8時間労働等はたらくものの権利も盛り込まれていた。
GHQはこれをただちに翻訳し、欠ける部分はあるが大変に民主的なものであり、受け入れられるものだとの評価を下す。
鈴木等の取り組みは、実際上、吉野作造、植木枝盛などを重要な先駆と位置づけるものであった。
改憲を主張する今日の議論には、それがGFQによる「押しつけ」であるとの理由がふくまれるが、46年2月のGHQ草案は、こうした国内の民主的な憲法づくりの成果を重視し、これを含みこむものでもあった。
この点の評価は、現代においてますます重要。
なお、各政党は、焦点となった天皇の地位について、進歩党と自由党が天皇主権、社会党が天皇と国民の全体に主権、共産党は天皇制廃止の上での国民主権を主張した。
最近のコメント