卒論テーマの練り上げである。
岡田さんは「日本の戦争における加害と被害の両面」をとりあげる。
その場合、何をもって「加害/被害」と認定するかの基準を定めることが大切。
アジア人2000万人、日本人310万人の犠牲者を「双方の被害」と同列視するわけにはいかない。侵略への抵抗・反撃を、侵略者の「加害」と同じとするわけにはいかないのだから。
他方、侵略への反撃であればすべてが正当化されるというものでもない。当時の戦争にも国際的なルールはあった。
それにもとづけば、軍事施設以外への空襲や、広島・長崎への原爆投下は、やはり不当な「加害」といっていいのだろう。
「加害/被害」を認定する基準はどのようであるべきか、あるいはどのようであったのか、またその基準に照らして過去の戦争裁判はどのように適正であり、またどのように課題を残したのか。
とりあえずは東京裁判自身の判断基準、原爆投下にまつわる事実関係の両面から学びを深めることとなる。
岩本さんは「昭和天皇はいかにして神になりえたか」がテーマ。
明治政権が必要とした天皇の「価値」の歴史的背景(明治期以前の天皇の社会的地位)、明治以後の新たな神格化の過程、それを受け入れていく国民の実態などが柱になっていくらしい。
神格化をすすめる側近グループの役割と、天皇自身の「神」性に対する了解の内実も大きなポイントになっていくのだろう。
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