報告「何故、明治になって天皇が持ち上げられたのか?」(白川さん)は、江戸時代から明治にかけての朝廷と幕府の関係を報告。自らが上位にあることを示しながらも、将軍家は朝廷に一定の役割を残しつづける。そのような「利用価値」の源となるものは、一体何であったのか。
報告「ドイツの『反省』-質問を受けて」(前田さん)は、1960年代に入ってドイツ全体の戦争認識が大きく変わっていくことを紹介する。教科書に「ユダヤ人迫害」という表現が登場するのは、ようやく1967年になってからのことであったらしい。
報告「60年代の反省にいたるまで」(藤原さん)は、46年のマウンテンハウスの国際会議、49年のドイツ連邦共和国基本法、58年から活発化するNGO「償いの証」の活動、63年からの「アウシュビッツ裁判」を紹介。
占領終了後の日本が戦犯恩赦に向かったのに対し、ドイツは自らの手での戦争犯罪追求へのすすむ。その分岐はいったいどこにあったのか。さらに深めたい。
報告「米下院の『慰安婦』決議」(伊藤さん)は、06年の下院外交委員会の759決議と、07年の下院本会議の121決議が採択される経過を、安倍首相の発言の変化とあわせて紹介する。
なぜこの時期に、アメリカが「慰安婦」問題に強い関心をもつようになったか。その背景を掘り下げる必要がある。
映像『アウシュビッツからベルリンへ』を見る。女性強制収容所で選ばれた「強制売春」被害の問題に、その後の議論は集中する。
映像『アメリカ占領下の日本・第3巻・東京裁判』を見る。実写映像が豊かだが、解説がほとんどなく、発言も聞き取りづらい。天皇が訴追されなかったこと、精神鑑定の結果容疑者名簿をはずされた大川周明について、多くの容疑者が裁判にかけられずに釈放されたことなどが話題となる。
報告「天皇の出現」(不動さん)は、6世紀末から7世紀とされる「大王」から「天皇」への称号の変化の意味を問い、「大王」が神によって地上支配の付託を受ける者であったのに対し、「天皇」は神の血筋を引く者として生得的にその地位を得るものになっているとする。
だが、その時代の「神」とは何であったのか。
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