第1回の授業。学習計画書を配布し、専攻ゼミ選択を意識した学び、就職活動への準備を意識した学びについて注意を促す。
夏休みの宿題の提出を求めるが、提出は19人中11人のみ。次回までしか受け取らないことにする。
受講生は第一希望であった学生が多いよう。
「戦争と平和」をどういう角度から学びたいかについて、学生たちの意見を聞く。多くが「侵略戦争や『慰安婦』問題」について語る。
それを受けて、こちらから「戦争と平和」を考える事例として、3つの角度から問題提起を行ってみる。
1つは、1931年から45年までの15年侵略戦争。戦争のごく簡単な経過と戦闘地域の拡大について。日本人の死者310万人、アジア人の死者2000万人以上。
他方、原爆や空襲については、非戦闘員を無差別に殺戮する違法行為。それにもかかわらず、戦後日本の対外関係はアメリカに卑屈で、アジアに傲慢なものとなっている。
2つは、現在行われているイラク戦争。戦後の国連憲章とそれへの加盟にもかかわらず、アメリカやイギリスを中心とした有志軍が、いわば指摘な戦争を行っている。
日本は自衛隊による後方支援の形でも、130ケ所での米軍基地の提供の形でも、イラク戦争に深く関与している。
3つは、憲法改正をめぐる問題。05年10月の自民党新憲法草案は、かつての戦争への反省を消し、自衛目的以外での「自衛軍」の海外軍事活動を可能とするもの。
07年5月の改憲手続き法で、すでに国民投票の準備も行われている。しかし「9条の会」を中心とする市民運動の高まりが、護憲の世論を強めている。
新首相の麻生太郎氏は、ケンカの強い者と組むとの説明で日米軍事同盟を堅持し、他方、創氏改名は朝鮮人が望んだとの発言に象徴されるアジアに対する傲慢さをあわせもつ。衆議院選挙を前に、日本の政治は大きな岐路に立っている。
以上の内容について、質問が1つ、2つ。
次回、どこから学び始めるかの相談をするが、結局は、かつての侵略戦争の実態を知るところからと落ち着いていく。
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