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80年代後半には、対日貿易赤字の縮小に向けた、アメリカから日本の圧力が強まる。その中で85年には「プラザ合意」が形成され、他方で、日本への内需拡大策が求められる。日本政府はこれを大型公共事業の推進と、低金利政策で達成しようとするが、結果はバブルと赤字を招いただけ。
第6章「長期金融と証券」に入る。銀行は貸し出しと手形割引の2つの方法で企業等に金を提供する。貸し出しには金利がつき、手形割引には割引料がつく。こうした資金の提供は、製造業企業の販売期間の短縮(流通過程の短縮)をすすめるものとなる。
ところが19世紀には生産設備の巨大化が進む。これには巨額の必要が必要で、しかも貸し付け期間は長期化する。ところが銀行側には、それは大きなリスクを生む。その問題を乗り越えるために、株あるいは社債という企業による証券の発行が行なわれるようになる。
第7章「株式会社」。証券は、その持ち主が証書に記載された権利をもっていることを証明するもの。しかも、証券は売却が可能。株は償還期限のない証券であり、社債は(永久債という特殊なものを除けば)長期の償還期限をもつ証券。
企業の巨大化がこれ証券の発行を拡大する。株の保有は本来、その企業の配当金を手にいれることだが、株主は同時に経営権をもつものとなり、総会をつうじて経営方針や経営陣を左右する。そこから少数大株主による経営権獲得を目的とした株式所有もうまれ、さらにその経営権を行使して企業の利益を拡大し、これを売却して差額を儲けるという「企業ころがし」の手法も誕生する。
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