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憲法「改正」の動きは、①平和な世界の実現、②人権・民主主義の充実の両面から、世界の大きな変化に逆行していくものとなる。これでは日本経済も内需・技術・財政・労働意欲など各方面から脆弱化をすすめるものとなっていく。
自民党「新憲法草案」については、①侵略への反省をやめる、②海外で戦争のできる国になる、③基本的人権の上に国家がたつ、④改憲をやりやすくするという問題点がある。
それ以前に、靖国色の濃い「新憲法草案大綱(たたき台)」(2004年11月)が出されていた。ここには天皇を「元首」とする、憲法25条(生存権)を「基本的権利・自由」とは異なるものに格下げするとの見解がふくまれた。
これがただちに国民の理解をえられるものでなく、また東アジアの理解がえられるものでないと考えただろう日本経団連「わが国の基本問題を考える」(05年1月)は、改憲内容を、9条2項と96条に限定することをもとめる。
この要望をうけて、先の「新憲法草案」(05年10月)がまとめられる。
しかし、06年9月の安倍内閣の発足を機に、あらためて靖国派の巻き返しが起こる。「日本会議」派議員による「新憲法大綱案」(07年5月)は、大胆な天皇中心の国家を打ち出し、人権の制約などを打ち出した。
この流れの中で、07年7月の参議院選挙で安倍内閣は155項目のマニュフェストの筆頭に「新憲法制定の推進」をかかげるが、歴史的な大敗を喫して、今日に至る。
なぜ日本ではこれほどまでにかつての戦争を正しいとし、その時代を「美しい」と賛美する流れが強いのか。そこには日本における「脱植民地化過程の不在」がある。
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