1月26日(月)の岩上愛さんによる講義を紹介。
テキスト216~231ページを読んでいく。
第12章「証券化で広がった災厄」。サブプライムローン問題が世界に広がった1つの仕掛けは、ローン債権の証券化。債権の製作から販売までの全過程をつくりだし、運営した投資銀行は、すべてが消滅することとなった。
安全性の保証のない債権の売買に「安心」を与えたのが、格付け会社による無責任な債権ランク。ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングス等がこれらを行った。
第13章「世界経済と日本」。イギリスのポンドからアメリカのドルへと、世界の基軸通貨の交代が確定されたのは1944年のブレトンウッズ会議。「世界の工場」であったイギリスからの商品輸入のために、世界各国はシティへのポンド残高を不可欠とした。それが第二次大戦による米英の力関係の決定的逆転をきっかけに、ウォール街へのドル残高に転換される。
08年秋の世界金融危機に際して、EU議長のサルコジ(フランス大統領)が「ブレトンウッズ2」を語ったのは、世界経済のアメリカを頂点としたこうした歴史的構造の崩壊のはじまりを反映したもの。
期末レポートの課題を提示。
「『金融の肥大化』の土台となった世界的な『カネあまり』の形成を、①長期金融、②証券市場(株式会社)、③21世紀の産業構造という3つの論点を柱に、歴史の順にそって説明してください」。
1500字程度、文学部事務室に提出、〆切1月27日。
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