ガイダンス的な内容とする。
今日における世界の構造変化を、特にアジアに視点をおいて考えていく。
以下、「世界の構造変化」のイメージについて。
20世紀初頭には、大国による世界の植民地分割が完了し、植民地再分割の戦争がはじまる。その戦争と深くかかわりながら、ロシア革命が起こり、社会主義をめざす政権が誕生する。
第二次大戦後、国際連合が米ソの冷戦体制によって少なからず機能不全におかれる中で、植民地体制の崩壊がつづく。
1991年のソ連崩壊によって、アメリカは単独行動主義を深めるが、それがアメリカに対する「西側」の求心力を下げ、AALA諸国にも自由な動きが拡大する。
他方で、BRICsなどの台頭で、世界の経済的な力関係にも変化が起こる。その中心にいる中国は、ソ連とは異なる「市場を活用した社会主義への道」を模索する。
これらの変化を受けて、アメリカには従来の外交政策を大きく転換するオバマ政権が成立する。和平への一定の動き、核兵器廃絶の提案、温暖化ガス削減の努力、米中関係の強化など、新たな政策が打ち出される。
鳩山新政権は「緊密で台頭な日米同盟」と「東アジア共同体の構築」をかかげるが、大枠はアメリカの政策変化にそうもので、アメリカとの間に摩擦を生む問題には踏み込んでいない。
テキスト『覇権なき世界を求めて』をつかいながら、現実世界の新たな動きも解説していきたい。
優先的に登録ができるように、授業参加者には出席票を出してもらう。
最近のコメント