学生による報告から。
「東アジアの歴史教育~歴史教科書に焦点を当てて考える」(中村さん)は、日本の教科書検定制度の問題を「家永裁判」も事例にあげて、批判的に紹介。
結果的に「侵略戦争の歴史を詳しく教えていない」ことを指摘し、他方で、シンガポールの歴史教科書から「日本軍による占領の特集ページ」を紹介。
その後の議論の主な内容は、①検定という制度の妥当性から、②歴史をどう学ぶかという問題にうつる。
「暗記」をするのが学びであれば、学習を通じて得られるものは「教科書の内容」に決定的に左右される。
そうではなく、歴史をどうとらえるかについて「考える」ことを主軸にすれば、教科書に一定の多様性があっても問題にはならないのではないかと。
「『慰安婦』問題を否定する意見はどのようか」(前川さん)は、特に、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の研修記録から、その議論の特徴を紹介。
議論の主な内容は、①「強制連行」とは何か、②そこに「慰安婦」問題の強制性を解消できるか、③「慰安婦」問題の国家犯罪としての性質、④吉田清治氏の著作が信憑性をもたないこと、⑤当時の遊廓の女性と「慰安婦」の違いなど、内容は多岐にわたる。
「慰安婦」問題の教科書への記載を否定する「新しい歴史教科書をつくる会」の活動にかかわって、2001年版教科書そのものも紹介(「大東亜戦争」の項目)、さらにこれを許可している日本の教科書検定の実際も。
映像『ハーグ最終判決-女性国際戦犯法廷』を見る。
①強制力をもたない民衆法廷の性格、②メディアの反応はどうだったか、③旧ユーゴの戦犯法廷の役割は。
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