新たな植民地化を警戒する声がある一方で,
アメリカにおいて責任ある役割を果たそうとする姿勢を評価する向きもある。
今しばらく実際の動きを見ていく必要があるということか。
紛争解決に向け存在感、中国主席がアフリカ歴訪終了(読売新聞,2月11日)
「【ヨハネスブルク=角谷志保美】アフリカ8か国を歴訪していた中国の胡錦濤国家主席は10日、12日間の日程を終了した。
今年最初の外遊先にアフリカを選んだ胡主席は、従来の資源外交から一歩踏み出し、スーダンのダルフール紛争に言及するなど、責任ある大国として存在感の印象づけに努めた。
しかし、アフリカ側には経済力を背景とした中国との関係強化に「第2の植民地化」を警戒する声も出ている。
胡主席は7日に南アフリカのプレトリア大学で講演した後の質疑応答で、「中国はダルフール地方が平和と安定に向かうよう、スーダン国内の関係者が努力を続けることを願っている」と述べ、紛争解決を支援する姿勢を改めて強調した。
今回の訪問で最大の焦点とされたダルフール問題で胡主席は、スーダンのバシル大統領と会談した際、昨年5月の和平協定に調印していない同地方の反政府武装勢力との対話促進や、国連の関与拡大を促したとされる。
南アフリカの中国研究所のマーティン・デービス所長は「内政不干渉を掲げる中国が欧米のように融資に条件を付けるとは考えにくい」と指摘した上で、訪問を「アフリカで経済関与を強化するだけでなく、責任ある役割を担いたいという姿勢を示した」と評価する。
中国は昨年11月に北京でアフリカ48か国の首脳を集めた「北京サミット」を開催。今回の訪問を、その延長線上における「新たな戦略的関係の強化」と位置づけ、スーダンなど訪問6か国に総額3億ドル以上の経済支援を約束したほか、ザンビアとは8億ドルの投資が見込まれる経済特区の設置で、南アフリカとは資源分野での協力で合意した。
しかし、米国政府関係者らは、胡主席がダルフール問題に言及したことは評価しつつも、紛争解決の見通しが立たないままスーダン政府に経済支援を約束したことに失望感を表明した。
アフリカ諸国には、資源を買い付け、安価な電化、繊維製品を大量に輸出する中国に警戒感も広がり、各国の新聞などには「新たな植民地化」を警戒する声が頻繁に掲載される。
中国が銅山などに多額の投資を行っているザンビアでは、劣悪な労働条件に暴動が起きたこともあり、今回の訪問では、当初予定されていた銅山視察がデモ発生を警戒して中止された。
胡主席は警戒感を緩和するため訪問各国で「中国は常にアフリカの発展に関心を持っている」と語り、投資の促進などを約束した。」
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