6月14日付のワシントン・ポストに、「慰安婦」問題をめぐる「事実」を訴える全面広告が出された。
日本の国会議員44名の他に、学者やジャーナリスト等が名を連ねているという。
①狭い意味の強制を「示す文書」はない
②部分的な「強制」は「規律」の「崩れ」である
③公娼制は「当時の世界では普通」であった
④「将官よりも多くの収入を得ていた」
などのことが書かれているらしい。
議員のうち13名は民主党の議員である。
内容の当否については、もはや語る必要もない。
より重要なのは、これに対するアメリカのマスコミ、市民等の反応である。
それによって、従米靖国派と、自主靖国派とへの分岐が深まる可能性がある。
「慰安婦強制の文書ない」 日本の国会議員ら米紙に広告(朝日新聞、6月15日)
従軍慰安婦問題をめぐり、日本の国会議員有志や言論人らが14日付の米紙ワシントン・ポストに「旧日本軍によって強制的に従軍慰安婦にされたことを示す文書は見つかっていない」と訴える全面広告を出した。
島村宜伸元農水相、河村たかし氏ら自民、民主両党の国会議員ら計44人のほか、ジャーナリストの桜井よしこ氏、岡崎久彦・元駐タイ大使らが名を連ねている。4月下旬の安倍首相の訪米に合わせ、韓国人団体が同紙に「従軍慰安婦の真実」と題した全面広告を出したのに対抗し、「事実」という見出しをつけた。
広告では、旧日本軍の強制を示す文書がないと主張し、逆に「強制しないよう民間業者に警告する文書が多く見つかっている」と訴えた。インドネシアで一部の部隊が強制的にオランダ人女性を集めるなど「規律が崩れていたケースがある」ことは認めたが、責任者の将校は厳しく処罰されたと説明している。
そのうえで「慰安婦はセックス・スレーブ(性奴隷)ではなかった」と主張。公娼(こうしょう)制度は「当時の世界では普通のこと」として「事実無根の中傷に謝罪すれば、人々に間違った印象を残し、日米の友好にも悪影響を与えかねない」としている。
米下院では、日本政府に謝罪を求める決議案が提出され、共同提案者が130人に達しているが、外交委員会や本会議の採決には至っていない。
日本の国会議員ら、米紙に「慰安婦強制性否定」の全面広告(AFPBB、6月15日)
【6月15日 AFP】いわゆる従軍慰安婦問題をめぐり、日本の国会議員らが14日付のワシントン・ポスト(Washington Post)紙に、「第2次世界大戦中に日本軍によって強制的に従軍慰安婦にされたことを示す歴史文書は存在しない」と訴える全面広告を出した。
「事実(THE FACTS)」と題された同広告は、「米国民と真実を共有する」ことを目的に掲載されたもので、「歴史学者や研究機関の調査では、女性が意に反して、日本軍によって売春を強要されたことを示す文書は発見されていない。慰安婦は、『性奴隷』ではなく、当時の世界では一般的だった公娼(こうしょう)制度(政府による売春管理制度)のもとで行われていた」としている。さらに「慰安婦の女性の多くは、将官よりも多くの収入を得ていた」と付け加える。
一方、同広告は「規律の乱れ」が存在したことも認め、「実際に起こったことに対する批判は、謙虚に受け入れるべき」としているが、「根拠のない誹謗中傷に対する謝罪は、社会に歴史的事実に対する誤った認識を持たせるだけでなく、日米間の友好関係にも悪影響を及ぼしかねない」と指摘する。
同広告には、自由民主党(Liberal Democratic Party、LPD)議員29人、民主党(Democratic Party of Japan、DPJ)議員13人、無所属議員2人のほか、教授、ジャーナリスト、政治評論家が名を連ねている。
従軍慰安婦問題をめぐっては、安倍晋三(Shinzo Abe)首相が3月に「第2次世界大戦中に旧日本軍がアジア各国で強制的に女性を連行した証拠はない」と語り、物議をかもしている。同首相はその後、従軍慰安婦問題について謝罪した1993年の「河野内閣官房長官談話」を継承する立場を強調。4月後半の訪米時には、元慰安婦の女性らに対し「心から同情する」と語った。(c)AFP
米紙に「慰安婦」反論の全面広告、賛同者に平沼元経産相ら(読売新聞、6月15日)
【ワシントン=五十嵐文】14日付米紙ワシントン・ポストは、旧日本軍のいわゆる従軍慰安婦問題で、「日本軍によって女性が強制的に慰安婦にされたことを示す歴史的な文書は存在しない」などとする全面広告を掲載した。広告には賛同者として、平沼赳夫元経済産業相(無所属)のほか自民党の島村宜伸元農相、民主党の松原仁衆院議員ら国会議員有志、ジャーナリストの櫻井よしこ氏らが名を連ねている。
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