中南米諸国と旧宗主国スペイン、ポルトガルとでなる第17回イベロアメリカ首脳会議が行われた。
宣言そのものは、アメリカの不法への批判、国際法を尊重することの必要を説くものになったようだが、ベネズエラのチャベス大統領の発言には、度が越したものがあるようである。
内政と外交は一体のものだとは、良くいわれることだが、民主主義を尊重する姿勢は両面において十分だろうか。
イベロアメリカ首脳会議閉幕 貧困克服へ「宣言」(しんぶん赤旗、11月13日)
【サンサルバドル(エルサルバドル)=松島良尚】南米チリの首都サンティアゴで開かれていた第十七回イベロアメリカ首脳会議は十日、「サンティアゴ宣言」とそれにもとづく行動計画および十の特別声明を採択して閉幕しました。
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中南米諸国など参加
会議のテーマは、貧困克服や社会発展などを可能とする社会的一体性の推進でした。
「宣言」はそのために求められていることを二十四項目挙げています。持続的な人間発展とそのための政策を保障する経済成長、まずまずの収入のある雇用をふやす政策、社会的弱者に対する福祉政策などです。
「多国間主義と国連の中心的役割の強化」も一つの項目で取り上げられ、「国際法に反する一方的、強制的な措置の拒絶」を強調しています。
特別声明の一つは米国の対キューバ経済封鎖の解除を求めるもので、キューバとの貿易制限を第三国にも科す米国内法のヘルムズ・バートン法を名指しで批判し、国連が十六年連続して採択している封鎖解除を求める決議に従うよう米国に求めています。
「テロとのたたかいを支持する特別声明」では、名指しはしていないものの、米国がキューバ旅客機爆破事件(一九七六年、七十三人死亡)のポサダ・カリレス容疑者をテロリストとして裁いていないことを批判し、ベネズエラなどの犯人引き渡し請求に支持を表明しています。
イベロアメリカ首脳会議は、中南米諸国と、かつての宗主国スペイン、ポルトガルの二十二カ国で構成されています。
スペイン国王、ベネズエラ大統領を一喝・イベロアメリカ首脳会議で波乱(日経新聞、11月12日)
南米チリの首都サンティアゴで10日まで開かれた恒例の中南米諸国とスペイン、ポルトガルの「イベロアメリカ首脳会議」が各国の応酬で大荒れの展開となった。
ベネズエラのチャベス大統領は会議の最終日、スペインのアスナール前首相を「ファシスト」と非難。当初はサパテロ現首相が「彼も民主的に選ばれた首相だ」と応戦したが、チャベス大統領が非難をやめなかったため、最後にスペインのカルロス国王が沈黙を破って「黙らないか」と一喝した。スペイン通信は「国王が公の場でこれほど怒ったことは記憶に無い」と伝えた。
一方、ブラジルのマスコミはチャベス大統領がルラ・ブラジル大統領を「石油成り金」と皮肉ったことを大きく伝えた。ブラジルでは先週、大規模な海底油田が発見され、政府は「ベネズエラ並みの石油輸出国になる」と気勢をあげていた。(サンパウロ=檀上誠)(11:02)
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