「文科省から十分な対応を得られなかった」。
ここが重要なポイントになるのだろう。
安倍首相の政権放り出し、教育再生会議の解散と、靖国派による教育行政ののっとりは失敗に終わった。
それを失敗に終わらせたのは、時の政治に対する市民の批判。
とはいえ、今後も、その手をゆるめるわけにはいかないのである。
学習指導要領改定 「靖国」派が働きかけ 文科省に 愛国心・国防の意義など要望(しんぶん赤旗、3月10日)
文部科学省が改悪教育基本法(二〇〇六年十二月施行)に基づき今月末までに学習指導要領を改定しようとする中、日本の侵略戦争を正当化している「靖国」派が、「愛国心の育成」や「国防の意義」などを盛り込むよう同省に働きかけています。
巻き返しの動き
「靖国」派の総本山・日本会議と連携する日本会議国会議員懇談会の教育改革刷新委員会(委員長・衛藤晟一参院議員)は五日、「新教育基本法に基づく学習指導要領の改訂を!これでは教育現場・教科書は変わらない」とする会合を開きました。会合には民主党の西岡武夫参院議院運営委員長も参加しました。
同刷新委員会は、改悪教基法の成立を受け「愛国心」「公共の精神」「宗教」などについて学習指導要領の改定の項目を列挙して、文科省に要請してきました。関係者によると、会合では「文科省から十分な対応を得られなかった」と、相次いで不満が出たといいます。
衛藤氏は五日の会合後の会見で「新教育基本法に基づく学習指導要領の改訂、教育振興基本計画の策定という非常に大事な時期。教育基本法改正までに苦労した内容を要望項目としてまとめ、反映させていきたい」とし、歴代文科相の力も借りて文科省への働きかけを強めたいと述べました。安倍晋三前首相の政権投げ出しで、「靖国」派の政治的影響力が低下する中での、焦りを伴った巻き返しの動きです。
16項目におよぶ
衛藤氏は、「要望項目」の中身を明らかにしませんでしたが、日本会議機関誌『日本の息吹』三月号は「学習指導要領改訂にあたり16項目の改善点を提案する」として“要望項目”を列記。「愛国心育成を全ての教育活動の目標とする」「天皇に対する理解と敬愛の念を社会科や国語科において育む」「国防の意義や自衛隊が我が国と世界の安全に果たす役割について教える」「日本人の自然観・宗教観の土台にある神道についても教える」などをあげています。
「近代以降の戦争における当時の我が国の立場や主張についても教える」では、「慰安婦、南京事件、沖縄集団自決などの政治的かつ学説が分かれるテーマについては特に慎重な姿勢で臨み」、「児童生徒の情操、心身の発達に配慮し、戦争などに関する残酷な写真や図版、記事については使用を控える」としています。
特異な歴史観の教育への持ち込みです。
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