後期の最初の授業につき,半ばガイダンス的なものとする。
経済学は社会科学のひとつの領域。特に労働と生活を主な対象とする点に特徴がある。経済学については「現代社会と経済学」(後期は経済社会における女性の地位),「経済学」(現代の日本経済),「比較経済論」(中国経済の特徴)の3つの授業がある。紹介の順に難易度があがる。
後期の「経済学」は指定のテキストの第3~5章を行っていく。第3章の主なテーマは東アジアと日本との経済関係。日本企業の進出と国内の雇用の空洞化,逆輸入,輸出の拡大の可能性,政冷経熱の実態などを取り扱う。第4章は日本の経済政策をめぐる意見の対立について,「改革派」と「抵抗勢力」との対立の実態や,アメリカ企業の自由な導入を可能とする「改革派」政策の実態を検討する。第5章は特に日米関係に焦点をあて,45年から52年までのアメリカによる軍事占領に出発する「アメリカいいなり」の日本づくりの戦後の経過を学んでいく。
戦後日本経済の歴史は,大きく,①戦後の復興期,②55年からの高度経済成長,③74~5年不況をへての低成長時代,80年代からの過労死・高齢者の自殺・孤食などの新しい社会病理の発症,④86年からのバブル経済,⑤91年から今日までの大不況などに区分される。
後期の「経済学」ではこの⑤の時期を主な検討の対象とし,先の3~5章のテーマにそって,この時期にとられた「構造改革」政策の実際と問題点の批判的検討を行っていく。次回よりテキストに入る。
登録者数の制限を行うので,氏名・学生番号を提出のこと。
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