卒論相談第2弾。
坂下さん「特攻隊員は本当に英霊なのだろうか」は,①「知覧特攻平和会館」の内容と役割の紹介,特攻を戦争美化の道具として活用する議論への批判的な問題意識,②侵略戦争における特攻作戦の役割と歴史の紹介,③特攻隊員たちが残した「遺書」や「日記」の背後に,その戦争と自分が死に追い込まれることへの「真情」を見いだそうとするもの。③を,どれだけの根拠をあけてうまくこなすことができるかどうかが課題の中心。
福原さん「天皇制を存続する必要性」は,①孝明天皇から明治天皇への天皇制のあり方の転換,②女系天皇を認めるか否かをめぐる有識者会議の内容,③天皇制の要否をめぐる議論の整理が内容となっている。しかし,自身の問題意識がしっかり立っておらず,あらためて戦後の象徴天皇制の成立時における戦前天皇制への評価,天皇自身の延命努力,戦後の昭和天皇の社会的役割などを学んでいくこととする。
大西奈緒さん「人身売買をなくすために~日本軍『慰安婦』から考える」は,①日本における性搾取を目的とした海外からの人身売買(購入)の実態を前に,②これが広範に容認される現実と「慰安婦」問題を解決することのできない政治あるいは社会との依存関係を論ずるもの。両者の共通点と同時に相違点をも率直に見ること,また男性による買春を少なくない女性が結果として認める傾向についても視野をひらくなど,複雑な課題に取り組むものとなる。
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