まずは、持ち寄られた東アジア関連の新聞記事の検討から。
①インドにおける農業所得への非課税の問題、②中東のオイルダラーが「SWF(国富ファンド)」として世界の投機市場に大きな影響を与え始めていること、③韓国の外食チェーン店が平壌に初進出したこと、④東アジアサミットの温暖化宣言案にインドが抵抗していること、⑤中国政府が景気過熱抑制のために人民銀行への預金準備率を引き上げたこと、⑥中国都市部での失業問題など。
「You Tube」から最近のミャンマーの反政府デモの様子、またビルマ独立における独立義勇軍と日本軍との関係について映像を見る。
テキスト第2章「政治体制の変動」。政治体制の民主化にとって「社会関係資本」の重要性が語られているが、それが具体的にどのようなものであるかの指摘がない。また東アジアの民主体制の不安定さの指摘に「中間層の縮小」があげられているが、いわゆる「中産階級」の拡大との相互関係が明示されていない。いずれも次回までに調べることとする。
「開発独裁」に関連してシンガポールの一党制(人民行動党)についての報告がある。
テキスト第3章「アジアをめぐる国際関係」。アメリカ主導の国際レジームやAPECにアジア各国が組み込まれていくことの経過が説かれているが、他方で、東アジア諸国独自の地域レジームづくりの動きに対する目配りが乏しい。コラム⑦の「東アジア共同体構想」は、それが日本発の構想であるにさえ読める。
関連にして「東アジア共同体について」の報告がある。添付の年表には、67年のASEAN設立、71年の中立宣言、76年のTAC、89年のAPEC設立、90年のマハティール首相による「東アジア経済グループ」構想とアメリカの反発、93年のAPEC初の非公式首脳会議、94年APECボゴール宣言(貿易と投資の自由化推進)、97年アジア通貨・経済危機、97年初の「ASEAN+3」、98年ASEAN共同体を決定、00年「ASEAN+3」のチェンマイ・イニシアチブ、05年第1回東アジアサミットと、そこにアメリカ主導の動きと東アジアの自立的動きとの双方が絡み合っていることが良くあらわれている。
ビデオ「NHK現代日本の歩み・日米経済摩擦」を見る。サンフランシスコ講和条約から、繊維、鉄鋼、カラーテレビ、自動車、農産物、牛肉・オレンジ、半導体、米とつづく個別の貿易摩擦の経過について、さらに個別協定から「市場秩序維持協定」へ、包括協定へ、日本異質論、日米構造協議へという協議・協定方法の変化を見る。
最近のコメント