なぜフランスなのかを、世界構造の歴史的な変化の中で考える
資本主義とはどういう経済なのか
①労資関係の成立、「二重の意味で自由な労働者」、ブルジョア革命と産業革命
②20世紀初頭における独占資本主義の形成
③経営者団体(財界)の形成にもとづく国家独占資本主義
④議会制民主主義の成立のもとでの世論操作、言論の分野が衝突の焦点に、その衝突(利益第一主義と社会の「公益」)において社会の力がより強いフランス、より未熟な日本
発展の原動力としての資本主義の根本矛盾、資本そのもの、利益の追求は生産力を発展させるが、同時に、①様々な社会的害悪(貧困・恐慌・環境問題など)を生みだし、②また、それを乗り越えずにおれない人間集団(労働者階級など)を生む
それが、①資本主義を発展・変化させる力となり、②資本主義を乗り越える取り組みの力ともなっていく
「ソ連崩壊」以後の変化
①「社会的市場経済」をめざすEU型資本主義の発展(93年EU発足)、ドル支配の脱却をめざす単一通貨ユーロ(99年導入)
②アメリカ帝国主義の世界的な威信喪失、経済的な地位の低下、スマートパワー路線の模索
③BRICs、ネクスト11など新興諸国の経済的成長と政治的発言力の拡大、連帯の広がり
④「市場を通じた社会主義への道」を模索する中国、ベトナムの成長と世界的ネットワーク、「平和共存」
⑤「新しい社会主義」を模索する国の登場、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル
07年「スマートパワー委員会」報告(座長・アーミテージ、ナイ)「戦争政策ばかりで世界の変化に対応できていない」
08年「2025年の世界」(米国家情報会議)、①「米国中心の国際秩序はほとんど姿をとどめていない」、②「中国とインドが多極化時代の新たな大国として米国と影響力を競い合う」「中国は今後20年間、他のどの国よりも影響力を強める」
オバマ政権「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任が」「核兵器のない世界の平和と安全を追求する」(09年4月)、2050年までに地球温暖化ガス80%削減、09年7月TAC署名
2009年11月BBCの27ケ国(2万9000人)世論調査、「ベルリンの壁崩壊から20年、自由市場の資本主義に対する不満が広がっている」
「資本主義はよく機能しており、規制強化は能率低下を招く」11%、自由主義で良い
「規制と改革で対処できる問題を抱えている」51%、資本主義にはルールが必要
「致命的な欠陥を抱えており、新しい経済システムが必要だ」23%(フランス43%、メキシコ38%、ブラジル35%)、資本主義以外のシステムへ
一足飛びでない手順を踏んだ段階的変革の道、「工場立法、すなわち社会が、その生産過程の自然成長的姿態に与えたこの最初の意識的かつ計画的な反作用は・・・大工業の必然的産物」(『資本論』)。
10時間工場法、ロシア革命の影響(8時間労働や社会保障宣言が各国へ、ILOへ)、人民戦線政府、戦後の国連とEUなど、資本への「意識的・計画的反作用」が深まってきた
「反作用」=ルールを深める資本主義改革の先に次の社会への変革への選択が生まれてくる
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