限りなき長時間労働と,サービス残業(不払い労働)の合法化。
これは確かに奴隷労働の自由化である。
「生かさぬように,殺さぬように」
「奴隷は何年で殺すのがもっとも効率的か」。
その手の発想と,これは,ほとんど何も変わらない。
財界・大企業,そして安倍内閣,
したがって自民党・公明党がこの道の主要な推進者である。
2007年,こんな社会をつくろうとする連中に,天誅を。
労政審 長時間労働野放し案 “奴隷的だ” 労働者委員削除を要求(しんぶん赤旗,12月22日)
労働時間と労働契約法にかんする最終報告案を議論した二十一日の労働政策審議会。「ホワイトカラーエグゼンプション」(労働時間規制の適用除外制度)導入や裁量労働制の規制緩和(中小企業が対象)など労働時間規制を突き崩す報告案に対し、労働者委員は職場の実態を示して批判し削除せよと求めました。
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「なぜホワイトカラーエグゼンプションが必要なのか説明がない」。小山正樹JAM副書記長はこう切り出しました。
「多様な働き方に対応できる制度は、裁量労働制、フレックスタイム、変形労働時間制がある。なぜ新たに必要なのか」
「対象は管理監督者の一歩手前というが、管理職でも裁量などなく、長時間労働を助長するだけだ。時間規制をしないと健康は守れない」
「24時間働け」
厚生労働省が示した年収要件(管理職の平均年収を考慮する)にも「使用者は四百万円を主張している。高めに設定しても変動するのは目に見えている」とのべました。
「二十四時間働けという制度になる。何のために労働時間制度があるのか。奴隷的働き方だ」。こう畳みかけたのは、長谷川裕子連合総合労働局長。「ホワイトカラーエグゼンプションは大企業で、裁量労働制の緩和は中小企業向けだ。両者はセットで、長時間労働をさせて残業代を払わずにすむ制度をつくる」
これに対し使用者側は「長時間労働や過労死は事実だ」と否定できず、「ネガティブ(否定的)な考え方をしないで」と反論にもならない弁明を繰り返すだけでした。
田島恵一・自治労全国一般評議会幹事は「管理監督者の範囲が広げられ問題になっているが、合法化するために範囲を広げるもの。不払い残業が問題になっているが、それを一掃するために時間規制を取り払おうというものだ」とのべました。
最低限の基準
企画業務などに従事する労働者に限定されている企画業務型裁量労働制について、中小企業には「主として従事する」場合でよいと緩和します。
石塚拓郎基幹労連事務局次長は「中小企業だけ緩和するのは二重基準をつくることになる。数では圧倒的多数の中小企業が例外とはおかしい」と指摘。小山氏も「本当に裁量を持つ人がどれだけいるのか。こんなあいまいな基準で拡大したら裁量の意味がない。全面的に削除すべきだ」と迫りました。
窮した使用者側委員が「労使自治にまかせるべきだ」と弁明。これについても、田島氏は「労使自治にまかせたらダメだから労働基準法ができたのに、いらなくなってしまう」と批判しました。
長谷川氏はこう締めくくりました。「エグゼンプションと裁量労働制の緩和で、年収四百万円以下しか残らなくなる。人間らしく生き働くために最低限の基準を定めたのが労働基準法だ。それをずっと緩和して何が起こったのか考えるべきだ。全面的に削除すべきだ」
最終報告案の修正部分
厚労省が示した最終報告案のうち、前回(八日)の報告案から修正された主な個所は次の通りです。
◆自由度の高い働き方にふさわしい制度の要件(追加)
対象労働者としては管理監督者の一歩手前に位置するものが想定されることから、年収要件もそれにふさわしいものとすることとし、管理監督者一般の平均的な年収水準を勘案しつつ、かつ、社会的に見て当該労働者の保護に欠けるものとならないよう適切な水準を当分科会で審議した上で命令で定めることとする。
◆休日確保について(追加)
確保しなかった場合には罰則を付すこととする。
◆長時間労働者にたいする割増賃金率の引き上げ(一定時間をこえた時間外労働にたいする現行より高い一定率による割増賃金の支払い=追加)
「一定時間」「一定率」については、労働者の健康確保の観点、企業の経営環境の実態、割増賃金率の現状、長時間の時間外労働に対する抑制効果などを踏まえて引き続き検討することとし、当分科会で審議した上で命令で定めることとする。
◆整理解雇(全文修正)
経営上の理由による解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」に該当するか否かを判断するために考慮すべき事情については、判例の動向も踏まえつつ、引き続き検討することが適当である。
◆解雇の金銭解決(全文修正)
解雇の金銭解決については、労働審判制度の調停、個別労働関係紛争制度のあっせん等の紛争解決手段の動向も踏まえつつ、引き続き検討することが適当である。
◆期間の定めのある労働契約(追加)
有期契約労働者については、今回講じる施策以外の事項については、有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようにするという観点も踏まえつつ、引き続き検討することが適当である。
◆労働基準法関係(追加)
労働基準法第三六条等の「過半数代表者」の選出要件について明確にすることとし、その民主的な手続きについて引き続き検討することが適当である。
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