所得再分配で貧困が進むというのは一体どういうことか。
児童扶養手当の半減については,「ワーキングプアⅡ」のSさんの姿がうかぶ。
秋祭りで,好きなものを食べろといわれて,
屋台の前にならぶことのできない子どもたちの姿も。
こういう政治を支持する人間の気が知れない。
子どもの貧困は深刻/児童扶養手当・母子加算/母子家庭の「命綱」断つな/衆院予算委 志位委員長が質問(しんぶん赤旗,2月14日)
日本共産党の志位和夫委員長は十三日、衆院予算委員会で総括質疑に立ち、子どもの中での貧困の広がりを指摘し、「成長の可能性をはばむだけでなく、貧困が次世代に引き継がれる危険をつくりだしている。日本の未来にとって重大な問題だ」と、安倍晋三首相をただしました。
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志位氏は、経済協力開発機構(OECD)の報告書をもとに、平均的所得の半分(貧困ライン)以下の家庭で暮らす子どもの割合が、OECD諸国平均を上回る14・3%にのぼると指摘。とくに母子家庭・ひとり親家庭では貧困ライン以下の家庭で暮らす子どもの割合が57・9%にものぼり、平均の三倍近くになることを明らかにしました。
安倍首相は「貧困が再生産される日本にしてはいけない」と答弁しました。
志位氏は、子どもの貧困に向き合う政治の責任として、予算のあり方と最低賃金の問題を取り上げました。
志位氏は「税制と社会保障で所得の再分配をおこなうことが予算の役目だ」と指摘。ところが、日本では税制と社会保障によっても子どもの貧困率が逆に1・4%高まるという逆立ちぶりを浮き彫りにしたグラフを突きつけました。
志位氏は、所得の低い母子家庭に対して子どもが十八歳になるまで支給されている児童扶養手当の大幅削減、生活保護を受けている母子家庭への母子加算の段階的廃止を政府がすすめようとしていることを批判し、「母子家庭の『命綱』を二本ともたち切ろうとする冷酷な政治だ。憲法二五条で保障された国民の生存権を侵害するものであり、中止を強く求める」と要求しました。
児童扶養手当の大幅削減について柳沢厚労相が「二分の一は保障する」と答弁したのに対し、志位氏は「半分まで削減することがありうるということだ」と批判。「削減は、母子家庭の子どもの貧困を悪化させ、予算の逆立ちをもっとひどくする」と指摘しました。
母子加算の段階的廃止について、安倍首相は「生活保護を受給している世帯と、していない世帯との公平性をみないといけない」とのべました。志位氏は「懸命に生きている母子家庭から母子加算を取り上げるのではなく、必死に働いても生活保護水準以下の暮らししかできない母子家庭の水準を引き上げるために心を砕くことこそ、本当の公平性だ」と厳しく批判しました。
最賃の抜本的引き上げを
さらに志位氏は、貧困の広がりの土台に世界でも最低水準の最低賃金があるとして、「最低賃金で働いても貧困にならない社会を目標にし、最低賃金を労働者の平均的所得の五割にすることを目標に掲げるべきだ」と求めました。
安倍首相は「中小企業を中心に事業経営が圧迫され、雇用が失われる可能性が高い」と答弁。志位氏は「中小企業の経営を圧迫するというなら、無法な下請けいじめをやめさせることこそ必要だ。最低賃金の抜本引き上げを中小企業の経営を応援する政治と同時並行ですすめるべきだ」とのべました。その上で、「貧困と格差を土台からただしていくために、最低賃金を抜本的に引き上げ、全国一律の制度とすることを強く求める」と強調しました。
国際的原則に反する発言
柳沢厚労相の罷免要求
志位委員長は、柳沢伯夫厚生労働相が女性を「産む機械」と発言したことを批判し、柳沢氏が「産む役目の人が、一人頭でがんばってもらうしかない」とものべたことについて、「女性を国家の人口政策の道具としてしか考えない思想があらわれている」と批判しました。
志位氏は、国連「国際人口・開発会議」(一九九四年)が、「すべてのカップルと個人が、子どもを産むか産まないか、いつ産むか、何人産むかを自由に決定する基本的権利を持つ」とした文書を採択していることを指摘。「柳沢氏の発言は、国際的に合意された基本原則に真っ向から反している。ここに反省すべき根本問題がある」と批判しました。
安倍晋三首相は「(発言は)不適切だった」と答弁。志位氏は「根本問題について、柳沢厚労相は一言の反省ものべていない」として、あらためて罷免を要求しました。
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