アメリカの影響力が強い基幹産業の国有化を表明していたベネズエラだが,
アメリカ企業からの株式購入により,
国内最大の通信企業の国有化が現実となった。
ベネズエラ/通信企業を再国営化/株購入で米企業と合意(しんぶん赤旗,2月14日)
【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラのチャコン通信相は十二日、米通信企業ベライゾンとの間で、同社が保有するベネズエラの通信会社CANTVの株28・5%を購入することで合意したと発表しました。これによってベネズエラ政府はすでに保有している分とあわせCANTV株の35%を持つ筆頭株主になります。チャベス大統領が先月発表した戦略部門の再国営化の一環です。
一九九一年に民営化されたCANTVは電話やインターネット事業でベネズエラ最大の通信企業です。ベネズエラ政府の株購入価格はニューヨーク市場で取引される米国預託株式(ADS)で一株十七・八五ドル、総額約五億七千二百万ドル(六百八十六億円)。ロイター通信によると、相場よりかなり低い価格です。
チャコン通信相は記者会見で、CANTVは今後、インターネットへのアクセスの拡大、国土のすみずみにわたるサービスの提供などを推進すると述べました。
記者会見にはベライゾン社のディールクセン副責任者も同席し、「きわめて満足している」と述べました。
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