第8回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議の報告である。
採択さた決議文は、WAMのMLを通じて、VAWW-NET ジャパン事務局が届けてくれたもの。
「慰安婦」問題 日本政府は公式謝罪を アジア連帯会議 立法措置求める決議(しんぶん赤旗、5月22日)
【ソウル=面川誠】韓国のソウルで二十日から開かれていた第八回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は二十一日、安倍晋三首相が「慰安婦」問題で日本政府の責任を回避していると批判し、日本政府に立法措置を通じた公式謝罪と補償を求める決議を採択して閉会しました。
会議には韓国、フィリピン、インドネシア、オランダなどから非政府組織(NGO)の代表ら約二百人が参加。日本からは日本共産党の吉川春子参院議員らが参加しました。
決議は(1)日本の「河野談話」見直しに反対し、立法措置を通じて政策的実行と責任を伴った公式謝罪と補償、真相究明と再発防止を求める(2)日本政府に国連人権委員会の勧告を受け入れるよう求める(3)民間レベルでの歴史記録、市民教育に努める(4)各国議会の「慰安婦」関連決議採択の動きを支持する(5)アジア連帯会議を国際連帯会議へと拡大発展させる―ことを呼び掛けました。
二〇〇〇年の女性国際戦犯法廷における天皇有罪判決など、これまでの国際連帯活動の成果を確認。安倍首相をはじめ日本の政治家が日本の国家責任を回避する発言を繰り返しているうえ、侵略戦争と植民地支配の教訓をほごにして憲法九条の改悪を試み「脅威的戦争国家への回帰」を進めていると批判しています。
さらに、三月末に解散した「女性のためのアジア平和国民基金」は「慰安婦」問題の解決策ではなかったことが確認されたと指摘しました。
これに先立ち、締めくくりの総合討論が行われました。発言に立った新日本婦人の会の高田公子会長は「安倍政権が強硬に改憲を急ぐのは、弱さの表れでもある。改憲の内容が知られるにつれて、反対の声も強まり、九条を守れという声はますます大きくなっている」と述べ、「九条の会」が全国で六千を超えていることなどを紹介。「慰安婦」問題など過去の過ちを教訓に平和を守る活動を強める決意を語りました。
米国から参加したロヨラ・メリーマウント大学の李鍾和教授は、米下院にホンダ議員が提出した「慰安婦」関連決議案について、「米国は第二次世界大戦後、戦略的な理由で日本の戦争責任を免罪してきた歴史がある。日本が責任をとるよう求めるホンダ議員の決議案は、重要な意味を持つ」と指摘しました。
第8回 日本軍「慰安婦」問題の解決のためのアジア連帯会議決議
2007年5月19日から21日まで「アジア連帯15年、今後の課題と連帯のために」をテーマにソウルにて開催された第8回日本軍「慰安婦」問題の解決のためのアジア連帯会議には、南北朝鮮、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダに加え、アメリカ、ドイツ、オーストラリアから参加した。
1991年、長い沈黙を破った日本軍「慰安婦」被害者の勇気ある証言以来、私たちは生存者たちの苦痛を分かち合い心身の傷を癒すために努力しながら、国連をはじめとする国際機関による日本政府への謝罪や賠償などの勧告や、2000年の日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷において「天皇有罪」を勝ち取ったが、これらは日本軍「慰安婦」問題の解決を通して、女性の人権と平和、正義を実現するべく努めてきたアジアと国際社会の連帯活動の成果であった。
一方、日本政府が法的責任を回避するために設置した「女性のためのアジア平和国民基金」(国民基金)を2007年3月末で解散したが、日本軍「慰安婦」問題の解決策ではなかったことが確認された。日本政府は、日本軍「慰安婦」犯罪に対する公式謝罪と賠償及び真相究明と再発防止を通じて、人類の普遍的価値の実現に寄与するどころか、安倍首相をはじめ、政治家たちは日本軍性奴隷犯罪に対し国家責任を回避する発言を繰り返している。更に、侵略戦争と植民地支配の教訓を反故にし、日本国憲法9条の改悪を試み、戦争国家への回帰を進めている。
しかし、米国下院議会の121号決議案の採択の動き、カナダやオーストラリアの議会での決議案採択に向けた努力、国際人権団体の連帯の広がりなどから見られるように、これは生存者や加害・被害該当国家の市民だけの問題ではなく、普遍的かつ未来志向的な課題であるとの認識が広がり深まっている。
そこで私たちは、希望の中で連帯の力を一層固く確信しつつ、以下のように決議する。
1. 私たちはアメリカをはじめ各国の議会で進められている日本軍「慰安婦」関連の決議案を支持・支援し、その採択のためのあらゆる行動に取り組む。
2. 私たちは、1993年の「河野談話」の見直しに反対し、真相究明及び国家賠償のための立法措置を通じて、政策的実行と責任を伴った公式謝罪と賠償、真相究明と再発防止措置をとることを強く要求する。
3.私たちは日本政府に国連人権機関の勧告を実行することを要求し、国連人権理事会が日本軍性奴隷問題を引き続き扱っていくよう監視し要求する。
4.私たちは各国の日本軍「慰安婦」問題を中心とする平和、女性博物館などのネットワーク活動を通して、民間レベルでの歴史記録や記憶の継承、市民教育に努める。
5.日本軍「慰安婦」問題の解決のためのアジア連帯会議の15年の精神と活動成果を引継ぎこれを国際連帯会議へと拡大発展させる。
2007年5月21日
第8回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議参加者一同
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