ベネズエラの改革が進んでいる。
石油国有化は、オリノコ油田の買収によって基本的に完了ということになるらしい。
これが「ボリバル代替統合構想」の原資にもなっていくわけだが、あわせて国内の直接的生産者の地位の変化に注目したい。
オリノコ油田を国有化 ベネズエラ、原油一元管理(東京新聞、5月2日)
【リオデジャネイロ2日共同】ベネズエラのチャベス政権は1日、欧米の国際石油資本(メジャー)が同国オリノコ川流域で進めてきた超重質油の開発事業の国有化を宣言した。
強硬な反米左翼で、資源の国家管理を強めるチャベス大統領は、同国が1990年代に進めてきた外資への開放政策を一方的に転換。昨年までに一般の原油開発をすべて国営ベネズエラ石油(PDVSA)主導に切り替えた。オリノコ油田の国有化により、同国の原油事業はPDVSAの一元管理下に入る。
大統領は1日、北部バルセロナ近郊での式典で「最も価値ある天然資源を国民から奪う外資への開放政策はこれで終わりだ」と強調した。
オリノコ川流域では1990年代から米エクソンモービルや英BPなど7社が計170億ドル以上を投資し、超重質油から合成石油をつくる技術を確立。メジャー側は、国有化に伴う補償や利益配分を求め政府と厳しい交渉を続けている。
ベネズエラ・オリノコ油田/国営企業の管理下に/外資から買収へ(しんぶん赤旗、5月4日)
【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラ政府は一日、同国北部のオリノコ川流域の重質油地帯で国際石油資本が参加している四つのプロジェクトの操業が、国営石油企業(PDVSA)の全面管理下に入ったと発表しました。チャベス大統領は「石油主権を完全に回復した。真の国有化だ」と強調。この日は未明から大勢の労働者が石油生産施設地域に入り、国有化を祝福しました。
チャベス大統領は「石油の外資開放といわれる十年以上の悪循環をきょう断ち切った」と述べ、多国籍企業が極端に低い採掘権料や税金のもとで大もうけを続けてきた過去をふりかえりました。また、「ベネズエラを資本主義モデルにしたりするのでなく、二十一世紀の社会主義の建設のために国有化した」と述べました。
オリノコ地帯以外の石油生産合弁企業の株式は、資源主権を回復するというチャベス政権のもとで、すでにPDVSAが過半数以上を保有しています。オリノコ地帯の合弁事業体については、三月の大統領令で、PDVSAが株式の買い取りによって出資比率を六割以上確保し、五月一日からPDVSAが操業するとしていました。
オリノコ地帯の事業体には、米シェブロン、英BP、仏トタルなどが参加していますが、米コノコフィリップス以外は先週、株式売却と操業権の移譲に基本的に同意しました。同社も合意する用意があるといわれます。
各企業はプロジェクトへの残留、撤退や株式売却などの条件について、六月二十六日を期限として政府と交渉することになっています。政府は、少数株主として残留するよう呼びかけています。
オリノコ地帯は、二千億バレル以上といわれる重質・超重質油を持つ世界最大級の油田で、生産能力は日量六十万バレルです。
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