南米6ケ国が、南米銀行と南米基金の設立で合意した。
アメリカン・グローバリゼーションの押しつけを融資の取引材料とするのでない、新しい多国籍金融機関の創設である。
他方、南米基金は、経済危機の勃発時に、集中的に支援を行うための原資ということらしい。
実際に、どれほどの原資が集まることになっていくのか。
南米銀行 年内にも開設/6カ国確認 IMFに代わり融資(しんぶん赤旗、5月5日)
【メキシコ市=松島良尚】エクアドルとアルゼンチン、パラグアイ、ベネズエラ、ボリビア、ブラジルの南米六カ国による経済・金融相会議が三日、エクアドルで開かれ、南米銀行と、エクアドルのコレア大統領が提案した南米基金の設立を推進していくことを確認しました。南米銀行は六月末に設立議定書調印、年内に開設する見通しです。
南米銀行は、規制緩和など構造調整政策を融資条件とする国際通貨基金(IMF)などに代わって域内諸国が協力して資金を融通しようという狙いから、ベネズエラのチャベス大統領が提案したもの。しかし、同銀行の権限や、原資に各国の外貨準備金をあてることなどをめぐって不一致があったといわれます。
ロイター通信によると、「新しい金融構造」として提案された南米基金の設立構想が各国間の不一致を和らげました。ブラジルの動向が注目されていましたが、同国のマンテガ財務相は「地域統合を強化する方向は重要だ」と述べ、南米銀行設立に参加する意向を明確にしました。
南米銀行は外貨準備金以外の財源を原資とし、インフラ整備などのために融資する「開発銀行」的な役割を持つといわれます。
一方の南米基金は外貨準備基金の一部を原資にして共同運用し、参加国が経済危機などに直面したときに対応します。同基金の設立日程はまだ定められておらず、会議では同基金憲章の作成にとりくむことが確認されました。
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