「10年後、20年後の近い未来に、2011年3月11日は、
歴史のどういう瞬間としてとらえ返されるのでしょう。
たいへんな犠牲を生んだ地震、津波と原発災害の後、
日本社会の全体が『人間の復興』と
安全・安心の社会づくりに向けて
大きな努力を開始した年としてなのか、
あるいはたいへんな犠牲にもかかわらず、
復興にも原発にも、その後の国づくりにも、
さらに強く野放図な『資本の論理』が
吹き荒れることになった最初の年としてなのか。
2011年に生きる私たちは、
その重大な分岐点に生きていると思います。
兵庫県では『復興はたたかいだ』という言葉が、
いまも強い実感をもって語られています。
『たたかい』の相手は『資本の論理』です。
それは行政の中にも深く浸透してくるものです。
この本では『人間の復興』と
その『資本の論理』の衝突に焦点をあてました。
『人間の復興』を勝ち取るためには、
多くの市民が『資本の論理』を押し返し、
制御する力をもたねばならないことを、
しっかり自覚してほしいと願ってのことです。」
(「はじめに」より)
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