兵庫県が,財政の改善を名目に,県職員の賃金を引き下げ,さらに10年で2000人の職員減をふくむ「計画」を発表した。
松下プラズマへの175億円プレゼントや,無駄な開発事業など,真っ先に見直すべき項目は話題になっていない。
「行革」といえば,またしても福祉・教育関連予算の削減,そして関連職員の削減ばかりという結果にならないように注意がいる。
兵庫県が公債費比率改善計画 10年で職員2千人減(神戸新聞,3月29日)
新しい財政指標「実質公債費比率」で、兵庫県が全国の都道府県でワースト三位の19・6%だったことを受け、井戸敏三兵庫県知事は二十九日の会見で、二〇一八年度をめどに公債費比率を改善するための「県公債費負担適正化計画」を発表した。十年間で財政の危険水域を脱し、地方債の発行を国の許可なくできる18%未満にする。具体的な行革の進め方は、〇七年度後半に定める予定の「ポスト行財政構造改革推進方策」に盛り込む。
計画の試算によると、今後の同比率の見込みは〇六年度決算で20%を超え、年度ごとに上下しながら一五年度に最悪の22・3%となり、地方債発行が制限される25%に最も近づく。その後は減少に転じて、一八年度決算で18%を切る17・6%になる見込み。
ただし、試算には、職員給与を国と比較する指数を現在の102・5から100に削減したうえで、定員を毎年二百人削減し、行政経費と投資的経費をともに毎年3%ずつ削減するというかなり厳しい前提条件を当てはめている。このペースで職員と行政・投資的経費を削減しつづけると、十年後には職員数は二千人減、事業費用に使える経費は三割減となる。
県財政課は「あくまでも試算のために想定した数字で、行革の中身は別に定める」としており、これに代わる歳出削減の策などを組み合わせながら計画の達成を図るとしている。井戸知事は「十年かけて確実に18%未満にする」とし、全事業の抜本的な見直しなどを新しい行革の枠組みに組み入れたいとしている。(畑野士朗)
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