「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」による「慰安婦」決議阻止のための訪米が中止になった。
理由の1つは,逆効果になるとの懸念。
もう1つは,決議があがっても「日米関係に大きな影響はない」という保障が生まれたことらしい。
つまりこの訪米計画は,決議を阻止しうる確たる証拠があってのものではなく(そうであれば逆効果の懸念などまったく必要がない),さらに日米同盟の継続を「慰安婦」決議より上位においてのものだった。
「靖国史観VS日米同盟」で,「日米同盟の勝ち」。
それがこの議連の政治思想であるらしい。
自民党の歴史教育議連、訪米中止(産経新聞,4月19日)
自民党の有志議員でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長・中山成彬元文部科学相)は19日、慰安婦問題をめぐる米下院での対日非難決議の採択阻止に向け今月下旬から予定していた有志議員の派遣を、中止することを決めた。
議会関係者への働きかけが採択阻止に逆効果になることが懸念されるうえ、シーファー駐日米大使が18日、決議が採択された場合でも「日米関係に大きな影響はない」と述べたことを考慮した。
慰安婦決議阻止の有志訪米に懸念=自民・加藤氏(時事通信,4月18日)
自民党の加藤紘一元幹事長は18日午後、CS番組の収録で、従軍慰安婦問題をめぐり連休中に訪米し、日本政府への謝罪要求決議案の採択阻止を働き掛ける同党有志議員の計画について「(26日からの)首相訪米が終わった後に、乾いている枯れ草にたいまつを持っていくような議論になりはしないか」と述べ、かえって米国内の批判が高まるとの懸念を示した。
首相訪米、米大使「慰安婦問題、影響なし」(産経新聞,4月18日)
安倍晋三首相は18日、官邸でシーファー駐日米大使と会い、26日からの初訪米での日米首脳会談について「日米同盟を強化する上で有意義な会談にしたい」と強調した。
シーファー氏は会談後記者団に対し、従軍慰安婦問題について「それほど大きな影響はない」と述べ、訪米に悪影響は与えないとの認識を示した。
さらに、3日の首相とブッシュ米大統領との電話会談に触れ「首相が河野洋平官房長官談話を継承する考えを再確認したのがよかった」と指摘。「首脳会談では、過去より将来のことが話し合われることを期待している」と述べた。
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