東アジア経済の将来を展望するとき、依然、大国主導型のWTO推進を土台におきたいということらしい。
これに連結するリージョナリズムというのが90年代前半からの財界(経済同友会)の主張だったが、これから「研究」される東アジアEPAにも、外(アメリカ)に開かれた「連携」という目論見が入ってくるのだろうか。
アジア経済人会議が閉幕、EPA実現へ共同研究を来月開始(読売新聞、5月18日)
アジア経済の将来を討議する第17回アジア経済人会議(アジア・ソサエティー主催、読売新聞社など後援)は18日、3日間の日程を終えて閉幕した。
期間中、アジアの経済連携などについて活発な議論が行われ、18日に講演した山本幸三経済産業副大臣は、東アジアEPA(経済連携協定)構想の実現に向けて「来月から民間研究を始める」と述べ、民間専門家による共同研究会の初会合をスタートさせる意向を示した。
東アジアEPA構想は、ASEAN10か国に日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドを加えた16か国で自由貿易協定(FTA)を柱とするEPAを締結する構想で、日本が提唱している。
民間レベルの研究は政府間交渉の前段階という位置づけで、協定締結の効果や交渉の枠組みなどを具体的に分析、研究する。来年1月に開かれる東アジア・サミットで、共同研究の成果が報告される見通しだ。
一方、FTAの締結と同時に、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の妥結を急ぐべきだとの意見も相次いだ。日本貿易振興機構(JETRO)の林康夫理事長は「(EPAは)いずれも次善の策。より広い統合こそ望ましい」と述べ、自由貿易の体制整備はWTOを基本にすべきとの考えを示した。
マイロン・ブリリアント米商工会議所会頭も「ドーハ・ラウンドを進展させなければ、先進国がFTAばかり途上国と結んでしまい、WTO交渉が形骸(けいがい)化する」との懸念を示した。
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