兵庫県内の社会福祉「民営化」にかかわる2題。
保育基準の低下が懸念される「認定こども園」づくりで、全国の先進を切りつつ、民間業者の不正への対処を余儀なくされる。
利益第一の民間企業に、キチンとした基準も儲けず、社会保障をまかせることの危険性そのものについての反省はないらしい。
幼稚園と保育所の一体型施設として昨年(10)月にスタートした「認定こども園」が、今年8月1日現在で105カ所となったことが、文部科学省などの調査で分かった。今年度中に認定申請を予定している施設(4月1日時点)が542、来年度以降が1460あり、来年度中に2000カ所程度に増える見込み。
8月1日現在でこども園が最も多いのは、兵庫県の12カ所で、そのほかは北海道10、秋田県9、福岡県6などが多かった。今年度中の予定では、東京都44、兵庫県42、北海道35、大阪、千葉各34などとなっている。
不正受給額は1億4千万円 兵庫県内のコムスン(神戸新聞、8月28日)
兵庫県は二十八日、訪問介護最大手「コムスン」の県内の訪問介護事業所四十カ所(閉鎖を含む)を監査した結果、介護保険事業所の指定で八事業所で虚偽申請があったとして、八事業所の介護報酬の全額計一億四千百四十二万円を、利用者が住む市や町に返還するよう同社に指導した。同社は返還の意向を示しているという。
いずれも県に届けた書類には、国の基準に沿うよう週に百時間勤務できる訪問介護員を確保したとしていたが、実際は六-五十二時間分にとどまった。
届けられた名義の当事者らから聞き取ったところ、実際には同社の他の事業所で勤務し、申請された事業所に勤務する予定は聞かされていなかったため、県は意図的な虚偽申請と判断した。八カ所は既に閉鎖され、計百五十九人に対するサービスは、他の事業所に引き継がれているという。
不正受給があった事業所は次の通り。
豊岡立野ケアセンター(豊岡市)▽小野中央ケアセンター(小野市)▽加西中央ケアセンター(加西市)▽たつのケアセンター(たつの市)▽伊丹171ケアセンター(伊丹市)▽湊川公園ケアセンター(神戸市兵庫区)▽なだ南ケアセンター(同市灘区)▽旭が丘ケアセンター(同市垂水区)。
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