アメリカ提案のAPEC加盟21ケ国による自由貿易圏構想は、当面の課題とはならないとのこと。
アメリカン・グローバリゼーション拡張への、一つの抵抗といっていいのだろう。
米国構想は“長期展望” APEC閣僚会議始まる(しんぶん赤旗、9月6日)
【シドニー=井上歩】二十一カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議が五日、オーストラリアのシドニーではじまりました。会議では、米国が昨年提案したAPEC加盟二十一カ国・地域が自由貿易協定(FTA)に加わる自由貿易圏(FTAAP)構想については、昨年同様「長期的な展望」と位置付け、緊急課題にしないことがほぼ固まりました。
各国の外相・貿易相は、難航している世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の進展促進について意見交換。また、FTAAPを含め地域経済統合についての方策をとりまとめた報告書の提出を受けて意見を交わしました。
地域経済統合についての報告書はFTAAPを「経済統合に大きく貢献する」と評価し、具体策の検討を求める内容だとされています。会議筋によると、会議では報告書を「野心的かつ現実的」だと評価する意見が相次ぎました。しかし、発展途上国からFTAAPを目標のように扱うことに難色が示され、文言調整が続くことになりました。
農業分野で主要国の協議が決裂し、暗礁に乗り上げているドーハ・ラウンドをめぐっては、年内妥結を目指して交渉の進展を求めることで一致。米国を念頭に、農業への補助金削減を求める意見も出されました。
閣僚会議はAPECで食の安全のためのフォーラムを設置するなど、安全確保のため協力していくことを確認しました。また、APECの活動強化のため、事務局長職を議長国持ち回りから専任制へと変え、政策立案を支援する政策ユニットを設けることで合意。APECの加盟国拡大については、現状維持が好ましいとの意見が多数を占めました。
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