マネーゲームによる巨額の損失の一方で、こうまでも食えない労働者が世界にはたくさんいる。
経済力を貧困の克服のためにもちいる力が、現代世界には圧倒的に不足しているということである。
世界の労働者、5人に2人が「ワーキングプア」・ILO調べ(日経新聞、1月24日)
国際労働機関(ILO)は23日、2007年の世界雇用報告で、国連が「ワーキングプア」と定義する1日2ドル(約210円)未満で生活する労働者は07年に12億9457万人に及ぶと発表した。世界的な景気拡大の影響で前年から5%減ったものの、依然として労働者の43.5%、5人に2人強が貧困を強いられている実態を示した。
ワーキングプアの割合は中東で19.3%にとどまる一方、サハラ以南のアフリカが85.4%、南アジアが80.3%など地域ごとのばらつきが大きい。
昨年は世界全体で4500万人の雇用が創出され、雇用者数は約30億人と前年比1.6%増えたが、失業者数も1.6%増の1億8990万人。結果として失業率は前年から横ばいの6.0%にとどまり、雇用情勢の改善にはつながらなかった。
失業者500万人増も ILO報告、景気悪化で(中日新聞、1月24日)
【ダボス(スイス東部)24日共同】国際労働機関(ILO)は23日、世界的な金融市場の動揺や原油価格の高騰に伴う景気悪化で「2008年は失業者数が500万人増加する可能性がある」とする世界の雇用に関する年次報告をまとめた。
07年は堅調な経済成長を背景に4500万人の新規雇用が創出され、失業率は前年並みの6・0%。失業者数の増加は約300万人にとどまった。
ILOは「08年の見通しは前年と対照的かつ不透明だ」と指摘。先進国を中心に市場の動揺などの影響が既に出ていると分析した。
報告書によると、07年の世界の失業者数は1億8990万人。一方、就業者の16・4%に当たる4億8700万人が、自分や家族のために1日当たり1人1ドルという「貧困ライン」の水準も稼げない状態だった。
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