21世紀の最重要関係を米中関係としたクリントン陣営が、日米関係についても重視を表明した。
とはいえ、それは現にある日米関係をみれば、当然のこと。
ただし、米中関係はそのあり方がこれから決まる問題であり、日米関係はすでにこの上ない従属関係が築き上げられている。
その差が、課題意識の格差になったということである。
米大統領選の民主党最有力候補と目されるヒラリー・クリントン上院議員の外交顧問を務めるリチャード・ホルブルック前国連大使は21日、ニューヨークの日本総領事公邸で日米関係などについて講演を行い、「日本は米国にとって不可欠の同盟国」とクリントン議員が大統領になった場合でも日米関係を重視していく姿勢を強調した。クリントン議員も同日「アジア太平洋地域の平和と安定、繁栄を維持するため(日本とは)なくてはならない協力関係にある」との声明を発表した。
クリントン議員は昨年10月、外交専門誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿で米中関係を「今世紀で最も重要な2国間関係」とする一方、日本への言及はエネルギー資源開発問題にとどまっていた。
ホルブルック氏は「日本がそう望む限り、日本がアジアや他の地域で重要な役割を果たすことのない問題というのはまずない」と“日本軽視”との憶測を否定。一方で「米中関係と同様、日中関係は日本にとってきわめて重要だ。米日中の3カ国は北朝鮮や気候変動問題で協力しなければならない」と安定した日中関係が米国や国際情勢に資するとの考えを示した。
また、クリントン議員が大統領に選ばれたら北朝鮮、さらにイランとも直接対話する用意があると述べた。
現在の選挙戦については「米国史でも最も長く、激しく、選挙費用のかかる戦い」とまれにみる激戦と表現した。
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