自民・民主ともに、改憲に向けた機運の再建をはかっている。
1つは、海外派兵のたびに国会で法律を決めることをしなくて済むための「恒久法」づくり。
2つは、根元からの明文改憲の動き。
根本では、自民・民主に相違はない。
引き続き、国民の運動の力で政治を変えていくしかない。
憲法2008 自・民合作 「立法改憲」狙う 「靖国」派も巻き返しの動き 9条守り生かす運動さらに(しんぶん赤旗、1月7日)
2008年は激動の政局のもとで、憲法をめぐるせめぎあいがいっそう激しさを増すことが予想されます。そのもとで、「憲法9条を守る運動をいっそう前進させる年に」(日本共産党の志位和夫委員長)することが求められています。
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派兵恒久法
昨年の参院選挙で「二〇一〇年の改憲発議」を公約に掲げた自民党が惨敗し、「戦後レジームからの脱却」を叫んだ安倍晋三前首相による前代未聞の政権投げ出しで、改憲派のスケジュールは大きくとん挫しました。
しかし、改憲派は明文改憲での巻き返しを狙いつつ、自民・民主合作による自衛隊海外派兵の恒久法づくりという「立法改憲」を進めようとしています。福田康夫首相は年頭会見で「(自衛隊を海外で)迅速に活動できる態勢があっていいのではないか。そういうことが可能になる恒久法を整備してもいいんじゃないかという考え方はもっている」と明言しました。
民主党の小沢一郎代表は、国連決議がある場合には海外での武力行使も可能というのが持論。同党が昨年末に国会に提出した「アフガニスタン復興支援法案」には、その方向での恒久法の「早期整備」が明記されました。
明文改憲も
同時に、明文改憲を狙う動きも消えていません。自民党は、〇八年の自民党運動方針案で「新憲法制定に向けた国民的議論の喚起」を提起。自民、民主、国民新各党などの改憲派議員でつくる新憲法制定議員同盟(会長・中曽根康弘元首相)は、明文改憲に向けて、改憲手続き法によって国会に設置された改憲原案の審査権限をもつ憲法審査会の「早期始動」を働きかけています。すでに賛同国会議員三百人以上を組織しているといいます。
「靖国」派の政治行動部隊である「日本会議国会議員懇談会」も「憲法審査会の速やかな設置を求める」決議を採択(昨年十一月)しています。
改憲派は明文改憲への機運をつくるため、改憲手続き法の強行(昨年五月)で崩れた自民・民主による「共同」を再構築し、憲法審査会の始動につなげようとしています。
自民党憲法審議会幹部は憲法審査会の見通しについて、「こちらからボールを投げているが、(野党が多数を占める)参院で民主党の動きはない」とし、民主党憲法調査会幹部も「選挙をやるまでは難しいかもしれないが、仮に私たちが選挙で勝てば審査会は動かしていく。しかし、自・民の信頼関係の再構築が先だ」と述べます。
広がる「会」
これに対して、憲法九条を守る運動では、明文改憲に反対するとともに、派兵恒久法など「立法改憲」に対する批判と反対を強めることが求められています。
また、二〇〇四年に結成された「九条の会」に賛同する、全国の地域・分野別の「会」が七千近くまで広がりを見せ、世論に影響を与える力を発揮しています。
昨年の全国交流集会では、「九条を守る」とともに「九条を生かす」ことの大切さ、長丁場のたたかいを展望した組織づくりなどで意見交換されました。こうした方向を含め、今年は改憲策動を包囲するたたかいのさらなる前進をはかることが求められています。
きたるべき解散・総選挙では、憲法を一貫して守る日本共産党の議席の前進をかち取ることが重要になっています。
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