(49)崖っぷちに立つアメリカ経済
没落過程にあるアメリカ、ドルの危機
(50)ドルはアメリカの弱点ということ
金では足りない、強い通貨(需要の多い通貨)、外貨危機には輸入を減らすしかない
(51)「ドルを守るために」
アメリカのタレ流し、アメリカからの圧力、ドルを守ろうとする海外の勢力
アメリカ頼みの日本製造業、中国もアメリカ依存、輸出のための市場介入の必要
基軸通貨問題をめぐって-国連の専門家委員会、ドルが基軸通貨では世界経済・金融は不安定、ドルに代わる基軸通貨の創設が「不可欠」(09年9月21日)、世界銀行ゼーリック総裁、「米国が基軸通貨としてのドルの地位を当然視するのは間違いだ。ドル以外の選択肢はますます広がる」、ユーロや中国の人民元などを例に(09年9月28日)
(53)中国の経済成長とインフレ中国の原材料輸入と価格高騰
(54)米中協調路線から浮き上がった小泉・安倍-価格高騰に中国は耐えられるか、中国の難民と経済格差、中国のアメリカ依存
(55)新自由主義はいずれ没落する ドル特権が失われれば
(56)アメリカ市場か東アジア共同市場か-アメリカにかわる巨大市場は東アジア
A.日本の成長率はなぜ格別に低いのか-09年10月・IMF予想、①09年世界成長率-1.1%(3.1%)、②日本-5.4%(1.7%)、③アメリカ-2.7%(1.5%)、④ユーロ圏-4.2%(-0.3%)、⑤中国+8.5%(9.0%)
世界的なマイナスは過去60年で初めて
先進国の低迷、新興・途上国の成長
中国とインドは成長継続
日本は先進国の中で最大の落ち込み
課題は各国での消費力の回復
B.各国の経済政策の相違-中国、09年3月全人代(国会)で4兆元(58兆円)の内需拡大策、①低所得者・農民への補助、②鉄道・高速道路などの整備、③企業・個人の減税
アメリカ、勤労者減税、多国籍企業増税、所得税最高税率引き上げ、失業・生活補助・低所得者医療・教員雇用維持
イギリス、フランス、スペイン、消費税減税(イギリスで約1兆円の個人消費増)、富裕層増税、社会保障制度の一定の整備
日本、「構造改革」による大企業奉仕、国民への犠牲転嫁を継続、需給ギャップは40兆円(政府)、鳩山政権で変えられるのか
C.オバマ大統領が金融規制案を提出
10年1月21日、大手金融機関の規模に一定の制限を設けることや、商業銀行のヘッジファンド投資などを禁止する金融規制案
規制案の柱-①銀行によるヘッジファンドの所有、ヘッジファンドへの投資を禁止、「銀行など金融機関が短期の利益の追求で、巨額で無謀なリスクを抱えた結果、金融危機が発生し、経済危機の引き金にもなっ た」(オバマ大統領)
②金融機関の合併にともなう規模拡大の制限、金融機関の負債規模に制限を、「単一の銀行にリスクが集中するのを防ぐため」(オバマ大統領)
D.前回の授業で出された「質問」
①資本主義の行き詰まりから、社会主義が世界の中心になる可能性は-資本主義を乗り越えようとする模索、ソ連型でなく
②バブルの破綻をなぜアメリカ政府は予想できなかった-目の前の利益の魅力、被害の深刻さが予測できなかった、内実がわからない
③円相場の適正と円高・円安の影響-購買力平価
④投機資金の肥大化は-実体経済(消費力)の必要をこえる金あまりと投機の魅力
⑤経済の金融化を端的にいうと-実体経済に対する金融(投機)経済の肥大化、モノづくりでないバクチでの利殖、経済の腐敗、モノづくりへの悪影響
⑥日本のアメリカ離れ、中国への接近にはどういう問題がある-経済的にはそうならざるを得ない、あとは政治の問題(安全保障、友好)
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