「福田氏、総裁選出馬せず 靖国問題など判断か ≪安倍氏独走の可能性強まる≫」(「産経新聞」)ということらしい。
なるほど,そういう展開になってきたか。
となると,「靖国参拝中止」や「東アジア外交の回復」を求める財界,アメリカからの圧力は,より強く安倍氏に集中することになるのだろう。
もちろん,この国の市民一人一人の求めこそ何より肝心な力だが。
他方に,「安倍晋三氏,講演で事実上の『公約』表明」(「産経新聞」)とある。
「歴史問題は謙虚な気持ちを持ちながらコントロールし、両国首脳が胸襟を開いて話すことが大切」。
しかし,これでは何もわからんなあ。
経済政策が〈ともかく,いまのままでいく〉路線であるのは,とてもわかりやすいのだが。
福田氏、総裁選出馬せず 靖国問題など判断か
9月の自民党総裁選で去就が注目されてきた福田康夫元官房長官(70)は21日、出馬しない意向を表明した。これにより、安倍氏の独走の可能性が強まった。非安倍候補の擁立を模索してきた勢力は、福田氏に代わる安倍氏への対抗馬を擁立できるかどうか、戦略の練り直しを迫られる。
福田氏は21日夜、都内の自宅前で記者団に「年齢が一番だが、総合的に判断して結論を出した」と述べ、不出馬を明言した。
党内では、中国、北朝鮮に毅然(きぜん)とした外交姿勢をみせる安倍氏への有力な対抗軸として、対中関係の改善などを重視する福田氏が取りざたされてきた。とりわけ山崎拓元副総裁や加藤紘一元幹事長らベテラン議員を中心に待望論があった。だが、福田氏は態度を明確にしてこなかった。
福田氏が不出馬の意向を固めたのは、年齢の問題だけではなく、出馬すれば安倍氏との間で、靖国神社への首相参拝や「A級戦犯」分祀(ぶんし)問題をめぐり国論を二分しかねない、との判断があるものとみられる。森喜朗元首相ら森派幹部の間には、同派から安倍、福田両氏が出馬すれば事実上の分裂状態になるとの懸念もあった。 (07/21 22:15 産経新聞)
安倍氏は、来年度予算案について「小泉純一郎首相は今年度予算で(新規国債発行額の)30兆円枠を守った。何とかその枠を守るべく努力する」と述べ、自らの政権構想にも30兆円枠の維持を盛り込む考えを示唆した。
「30兆円枠」は小泉首相の就任当初の公約だったが、今年度ようやく実現した。安定した税収を確保できなければ30兆円枠の継続は困難だが、安倍氏は「成長戦略をしっかりやることで自然増収を図る」と強調した。
財政再建については、(1)小泉政権の5年間が第1期(2)平成23年度の基礎的財政収支の黒字化までが第2期(3)その後の国債残高の対国内総生産(GDP)比の安定的減少が第3期―と位置づけ、「歳出削減をきっちりと行っていく必要がある」と述べた。また、「地域の良さを地域で考え、自主性をもって挑戦していくことが大切だ」と述べ、「道州制」を積極的に推進する方針を強調した。
消費税率引き上げについては、基礎年金の国庫負担の引き上げや社会保障費の増大、地方の税収充実、国際競争力の維持-などを考慮しつつ、「国民とともに考えていかなければいけない」と述べるにとどめた。
安倍晋三官房長官の講演要旨は次のとおり。
【日中関係】
日中両国は経済的に切っても切れない関係だ。政治問題でこの関係を棄損すべきではなく、この関係を利用して政治問題を解決しようとしてはいけない。歴史問題は謙虚な気持ちを持ちながらコントロールし、両国首脳が胸襟を開いて話すことが大切。日本が環境やエネルギーの分野で協力していくのは当然だ。
【格差】
がんばった人が報われる社会であるべきだ。医療、生活保護、年金制度は守り、何回でもチャレンジできる社会にする。道州制も視野に地域が自主的に地域の力を生かす制度を考えていく。
【財政再建】
財政の再建は必ず果たさねばならない。新規国債発行額30兆円の枠は来年も守る努力をする。平成23年度に基礎的財政収支を黒字化する。
【税制】
社会保障費の増加、日本の国際競争力などを考えながら、総合的かつ抜本的に税制の見直しを行う。そのなかで消費税をどうするか国民とともに考えていく。
【経済】
人口が減少しても成長は可能。IT(情報技術)の活用などで生産性を向上させ、モノや金、人の移動を自由にすれば消費者人口は増える。(07/20 22:33 産経新聞)
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