「在韓米軍、当初計画よりも削減へ 米国防総省」(産経新聞)。
「米国防総省当局者は7日、在韓米軍の削減問題について、これまで韓国側と合意していた2008年までに2万5000人という数字よりもさらに削減することになるとの見通しを表明」。
あわせて「朝鮮戦争以来、米国が保持してきた戦時作戦統制権の韓国への移管時期について、韓国側の求める2012年ではなく2009年が望ましいとの考えを改めて示した」。
「戦時作戦統帥権を移管することで、米軍は補完的な役割を担うことになる」のだそうだ。
これもまた第2期ブッシュ政権による新たな世界戦略──同盟国の自立度を高めながら「協力」を深めるという策のあらわれなのだろうか?
それにしてもアメリカによる日韓の位置付けの格差は大きい。
「銀行貸出、10年ぶり高い伸び・7月2.2%増」 (日本経済新聞)。
日銀の発表である。「民間銀行の貸出残高は前年同月比2.2%増の385兆2657億円」で,「1996年3月以来、10年4カ月ぶりの高い伸び」。
理由は「景気拡大で企業の運転資金需要が高まっているほか、『M&A(企業の合併・買収)にからむ資金需要も高まっている』(日銀金融機構局)」ことだとされる。
依然として,問題は,この「景気」が労働者・市民の生活改善に波及するものになっていないこと。
そのことは,以下の政府発表でも明らか。
「若者の非正規雇用が急増・06年版労働経済白書 」(日本経済新聞)。
「厚生労働省は8日、2006年版労働経済の分析(労働経済白書)を公表した」。
「景気回復で雇用情勢は改善しているが、パート、アルバイトや派遣など非正規雇用の比率が20歳代で高まり、『将来の所得格差が広がる可能性がある』」。
「企業などに勤める雇用者のうち、非正規雇用の割合は20―24歳で最も高く、最新調査(2002年)では31.8%と前回(1997年)よりほぼ倍増した」。
「34歳以下の男性の場合、正規雇用者で結婚している人は39.9%だったのに対し、非正規雇用者では13.5%にすぎない。収入の低さと不安定な雇用が結婚をためらわせ、少子化の一因となっていることをうかがわせた」。
その中で,「黙ってはいられない」とばかりに,次のような取り組みも。
「非正規雇用、実態は 首都圏の大学生らでNPO 2500人を調査、来月シンポ」(北海道新聞)。
「パート、派遣など非正規雇用が増える中、若者にとって働きやすい社会を模索するため、首都圏の大学生らが民間非営利団体(NPO)『POSSE(ポッセ)』を設立し活動を始めた」。
ポッセというのは「力をもつ」という意味のラテン語だとある。
「設立は六月で、東大、中央大などの学生やフリーターら約百人が加わっている」。
代表は23才の大学生。 「『若者はまともな仕事につかず、無気力と決め付けられがちだが、実際は低賃金労働者を確保するためのしわ寄せを受けている』」「『将来は国の雇用政策への提言をまとめたい』と話している」。
まずは9月に東京でシンポジウムを開くそうだが,こうした若い世代の前向きな取り組みに期待したい。
「麻生外相が靖国改革で見解、自主解散し特殊法人化を」(読売新聞)。
「同神社が自主的に宗教法人を解散した上で、国が関与する特殊法人に移行するのことが柱だ。無宗教の国立追悼施設とすることで、憲法の政教分離原則に抵触しない形態とし、天皇や首相が参拝しやすい環境を整えるのが狙いだ」。
「具体的な解決策としては、<1>宗教法人としての靖国神社を自発的に解散し、いったん財団法人などへ移行する<2>最終的には国会で設置法をつくり、特殊法人とする<3>名称は例えば「靖国社(招魂社)」とする――などを提案した。手続きは、全国52か所の護国神社と一体で進めるべきだとしている」。
「麻生氏はこうした手続きを踏めば、『天皇陛下には心安らかにお参りをしていただける』ほか、『中国、韓国を含め、諸外国の首脳も、もはや参拝を拒まなければならない理由はなくなる』としている」。
実に不思議な提案だ。
靖国と政府の一体化をますます深めることが,どうして問題解決につながるのか?
問われているのは靖国の侵略戦争美化の歴史観を,首相参拝によって政府が公認していることの是非だろう。
いずれにせよ,この見事なご提案で,麻生氏は総裁選における財界とアメリカの支持を完全に失った。
これでは東アジアとの外交はますます破綻の度を深めるしかないから。
それにしても「一宗教法人」であるはずの靖国に政府が「自主的に解散しろ」などということ自体が大問題だと思うのだが,この人は「靖国教」を「国教」だとでも信じているのだろうか。
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