経済財政諮問会議の「民間議員」を退いたばかりの本間氏が,今度は政府税調へと「活躍」の場所を変えるという。
そしてさっそく打ち上げたのが,法人税の一層の削減である。
以下の記事によれば,同氏は「経済にとって合理的な課税体系をめざす最適課税論の代表的な論者」である。
とはいえ,サプライサイドの立場からする「構造改革」は,もっぱら「経済」を「大企業」とイコールに位置づけてきた。
となれば「経済にとって合理的な」は,「大企業にとって合理的な」へと,簡単にすりかえられることになる。
経済財政諮問会議と連携していくそうだが,確かにそれは10月13日の諮問会議で民間4議員が示した「『創造と成長』に向けて」に合致している。
同文書は「世界(特にアジア)に向けたオープンな経済の構築」の項目で,「グローバル化の観点からの税制の構築が必要である」と述べていた。
今回の人事は,要するに「民間4議員」主導の「構造改革」(経済運営)を税制分野にも,すみやかに浸透させるためのものということだろう。
「本間次期政府税調会長、法人税改革に強い意欲」(日経,10月20日)。
「政府税制調査会(首相の諮問機関)の次期会長に内定した本間正明大阪大学教授は20日、日本の法人課税について「世界の法人税改革の流れから遅れている。(見直し議論には)いいタイミングだ」と語り、減価償却制度の見直しなど法人税改革に強い意欲を示した。経済財政諮問会議と連携して税制論議を進める方針も表明。税制を歳入確保の手段としてだけでなく経済政策の軸に位置づける考えを示した」。
「財務省内で記者団の質問に答えた。本間氏は同日午後、財務・総務両省から政府税調会長への就任を正式に要請され、受諾する意向を伝えた。11月7日に開く総会で委員の互選により会長に選出される」。
「本間氏は税制が実体経済に及ぼす影響などについての研究で知られる経済・財政学者。同氏の就任内定で、政府税調会長には石弘光一橋大名誉教授に続き2代続けて税制を専門とする学者が就くことになる」。
「ただ両氏が支持する理論は異なる。石氏はすべての所得をまとめて課税する包括的所得課税(総合課税)に立脚。本間氏は経済にとって合理的な課税体系をめざす最適課税論の代表的な論者で、経済の効率性により軸足を置いている。経済成長を重視する安倍政権の政府税調会長として本間氏は適任との見方が出ている。 」
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