21世紀半ばには,世界第一と第三の経済大国となる両国のFTA交渉である。
これを一律に大国による「経済支配」の内実をもつとする見方の的外れは,ここでも明白。
それにしても,中国の経済外交の展開はじつに活発。
世界の構造変化を生み出す最大級の能動的主体となりつつある。
「中国、インドとFTA交渉開始 パキスタンと締結合意」(チャイナネット,11月22日)
「中国とアジア諸国家との自由貿易協定(FTA)交渉が着々と進められている。パキスタンとのFTA締結が近く行われる見通しで、インドとのFTA交渉も鋭意進められている。
中国商務部はこのほど、パキスタンとのFTA交渉が大詰を迎えたことを明らかにした。商務部筋は、「双方はそれ以前の第5ラウンドFTA交渉で実質的な進展が見られ、すでに市場参入条件やFTA協定文書の作成について合意に達している」としている。
中国の胡錦涛国家主席は15~26日の日程でベトナム、ラオス、インド、パキスタン訪問中であり、パキスタン訪問の際には、FTAが調印される可能性があると見られている。ちなみに、昨年の中国・パキスタン間貿易額が42.6億ドルに達し、前年比39%増という大きな伸びを示している。
中国はまた、胡錦涛主席のインド訪問を契機として、インドとのFTA交渉の進め方について話し合われる見通し。商務部の傅自応部長補佐は先般、「インドとのFTA交渉案が検討中である」と語った。中国現代国際関係研究所の胡仕勝研究員も「インドが中国の一部産業に対して憂慮を示しており、FTA締結は時期尚早である。今回の胡錦涛国家主席のインド訪問中に、貿易、投資保護などの合意文書が調印されると見られ、両国間のFTA交渉がいよいよ開始の段階に入ろうとしている」と語った。
現在までのところ、中国とFTA交渉を行っている国・地域は、中国の全貿易相手国・地域の4分の1にあたる27カ国・地域にのぼっている。なかでも、中国・ASEAN間の2010年までのFTA締結は、すでに中国とASEAN10カ国間の早くからの合意事項となっている。」
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