大企業誘致のために天井知らずの補助金を出している兵庫県だが、その企業の「顧客」としての「満足度」を高めるために、さらなる策が練られている。
大企業の「満足度」を云々する前に、県民の「満足度」についてまじめな調査をしてみる勇気はないか。
県が企業流出の防止策強化 工場増設の補助対象拡充(神戸新聞、10月3日)
兵庫県は、誘致に重点を置いた現在の企業立地施策を見直し、工場増設への補助対象地区を拡大するなど、既存の企業の県外流出防止策を強化する。二〇〇六年度は県内の工場立地が百十五件と全国一だったが、手続きの速さや優遇制度などを企業にたずねた国の調査では上位十位に入っておらず、「いずれ見限られる可能性もある」(県企業立地課)との危機感が背景にある。(小林由佳)
県は〇四年度から産業集積条例に基づき、新たに土地を取得しなくても生産設備増強などに一定額を補助する制度を導入。これまでに、百二十億円を投資して昨年十二月に高級鋼板の生産設備を新設した新日本製鉄広畑製鉄所(姫路市)への補助を決めている。
同制度の対象地区は、当初の三地区から徐々に増え、〇七年度に入って赤穂市の臨海部などを加え計六地区に。「工場増設を検討しているが、補助対象になるのか」との問い合わせが増えているという。
進出企業へのフォロー体制を整えるために、県内市町との連携も強化。六月施行の企業立地促進法を活用すれば、自治体が自前で行っていた企業誘致や既存企業への対応に国の支援が得られるため、産業集積の多い尼崎市や姫路市などと協議し、地域認定を目指す。
県企業立地課は「今後は企業誘致を競い合うのではなく、既存の企業をいかに引き留めるかが焦点になる。企業はいわば顧客であり、市町とともに顧客満足度を高めたい」としている。
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